007/ムーンレイカー (映画)

映画『007/ムーンレイカー』の概要

『007/ムーンレイカー』は、1979年に公開されたスパイ/アクション映画であり、ルイス・ギルバート監督が手がけた「ジェームズ・ボンド」シリーズの第11作目です。イアン・フレミングの原作小説を基に製作され、特に宇宙を舞台とした内容であることで知られています。この作品は、1977年の『スター・ウォーズ』の成功を受け、SF映画ブームの中で誕生しました。

映画の冒険は、アメリカからイギリスに空輸中のスペースシャトル「ムーンレイカー」がハイジャックされるところから始まります。その事件を受けて、ボンドは製造者であるヒューゴ・ドラックスに接触し、カリフォルニアへ向かいます。ドラックスの研究所で発見された毒物がアマゾンにしか存在しない植物に由来することが明らかになり、ボンドはその真相を追い求めます。

ストーリーは、カリフォルニアからベニス、リオデジャネイロ、アマゾン、さらには宇宙へと驚異的に急展開し、ボンドはCIAのホリー・グッドヘッドと共にドラックスの恐るべき計画を阻止しようと奮闘します。ドラックスの目論みは、人類を抹殺し、選ばれた者たちのみで新たな世界を築くというものです。全編にわたってスピード感のある展開が繰り広げられ、宇宙での戦闘シーンは特に印象的です。

スタッフとキャスト

本作の製作には豪華なスタッフが参加しています。原作はイアン・フレミング、監督はルイス・ギルバート、脚本はクリストファー・ウッドが担当しました。また、音楽はジョン・バリー、主題歌はシャーリー・バッシーが歌い上げています。ボンド役はロジャー・ムーアが務め、ホリー・グッドヘッドを演じるロイス・チャイルズや、ドラックス役のマイケル・ロンズデールなど、キャストも一流揃いです。

ボンドガール

ボンドガールのホリー・グッドヘッドは、アメリカ南部テキサス州出身の女優ロイス・チャイルズが演じました。彼女はNASAの宇宙飛行士という新たなキャラクターで、ボンドと共に敵の陰謀に立ち向かいます。チャイルズは元々、別のボンド映画に出演を打診されていましたが、辞退した経歴があります。

影響と興行成績

『ムーンレイカー』は、公開後の興行成績において世界的に成功を収めました。1979年の映画の中で2億1030万ドルという興行収入を記録し、シリーズ最高額に達しました。日本では、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』に次ぐ配給収入を上げ、外国映画の中での成功を収めました。

撮影裏話

撮影に関しても注目すべき点が多く、特にオープニングシーンはCGを用いずに実写で撮影されました。技術者たちは、パラシュートの使用を隠すために多くの工夫を凝らしました。また、NASAの技術者を引き入れ、宇宙シャトルの打ち上げシーンは非常にリアルです。

本作の特殊効果も高く評価され、視覚的な演出に関しては『スター・ウォーズ』と双璧を成す作品として言及されます。実際、映画制作における国際電話料金が膨大だったこともエピソードとして語られています。

まとめ

『007/ムーンレイカー』は、劇的なストーリーと宇宙を舞台にした壮大なビジュアル、優れた音楽が特色のボンド映画です。シリーズの中でも特に異色の作品であり、今なお多くのファンに親しまれています。

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