007/危機一発

『007/危機一発』

『007/危機一発』は、1963年に公開されたアクション・スパイ映画で、イーオン・プロダクションズによる「ジェームズ・ボンド」シリーズの第2弾です。監督テレンス・ヤングが手がけ、ショーン・コネリーがMI6エージェント、ジェームズ・ボンドとして再びスクリーンに登場しました。原作はイアン・フレミングの1957年の小説『007 ロシアから愛をこめて』で、そのストーリーを基にした映画は、アクション重視の展開が特徴です。

この映画は、世界中での公開から数十年経っても評価され続けており、観客に愛される理由の一つは、魅力的なキャラクターたちと息をのむようなアクションシーンです。1963年10月10日にイギリスで、続いて1964年4月8日にアメリカで公開され、前作の『007は殺しの番号』の成功を受けて、各国で注目を集めました。

映画の特色

『007/危機一発』は、格闘や追跡、逃走のシーンが次々と展開され、アイデアの豊かさとアクションの緊迫感が一体となっています。たとえば、ボンドが屈強な殺し屋グラントと対峙する場面は、その強敵としてのキャラクターが印象的です。また、物語の中で使用される特別なガジェット、特にアタッシェケースには、特別なトリックが秘められています。これにより観客はクライマックスでの展開に目が離せなくなるのです。

特にダニエラ・ビアンキによるボンド・ガールのキャラクターは、彼女の知性と魅力が融合し、後の作品におけるボンド・ガール像の基盤ともなりました。また、映画の重要な要素として「プレタイトル・シークエンス」が初めて導入されたことも後続作品に影響を与え、有名なオープニングのスタイルとして定着しました。

ストーリーの概要

物語は、犯罪組織「スペクター」がアメリカ月ロケットの軌道妨害を図る中、ボンドへの復讐計画を展開するところから始まります。ボンドはソビエト諜報機関の美人情報員タチアナ・ロマノヴァと共に、重要な暗号解読機「レクター」を手に入れることを目指しますが、彼の動きはスペクターに知られており、巧妙に仕掛けられた罠が待ち受けています。そして、イスタンブールの国際的な緊張感の中で、ボンドは数々の試練を乗り越えながら、敵との戦いを繰り広げることになります。

音楽と公開

映画の音楽はジョン・バリーによって作曲され、特に主題歌「ロシアから愛をこめて」が多くの人に親しまれました。この楽曲はイギリスの音楽チャートで高い評価を受け、日本では年間1位にも選ばれました。映画は日本でも1964年に公開され、当時の外国映画の中で高い興行成績を収めました。

まとめ

『007/危機一発』は、サスペンスとアクションが見事に融合した名作であり、ジェームズ・ボンドシリーズの中でも重要な位置を占めています。シリーズのスタイルやテーマを形作った作品であり、今でも多くのファンに愛される理由がここにあります。

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