01式軽対戦車誘導弾

01式軽対戦車誘導弾（ATM-5）

概要

01式軽対戦車誘導弾、通称ATM-5は、日本の防衛庁技術研究本部と川崎重工業によって開発された個人携行式の対戦車ミサイルです。陸上自衛隊の対戦車兵器として、84mm無反動砲の後継として位置づけられています。防衛省ではこのミサイルを「LMAT」と略し、「ラット」と呼ぶこともありますが、現場では「01（マルヒト）」や「軽MAT」と称されています。

開発経緯

1993年から始動した開発プロジェクトでは、川崎重工業が主契約者として関与しました。1997年には試作が開始され、2001年には正式な制式化がなされました。開発中の課題には、非冷却型赤外線画像誘導方式や掩体内射撃可能な推進方式、小型軽量化、低コスト化が含まれました。特に、日本電気が開発した非冷却型赤外線画像センサの導入は画期的であり、低価格化と即応性の向上を実現しました。最終的に、開発に要した総経費は約105億円、単体の調達価格は約2,600万円に設定されています。

機能と特徴

このミサイルは普通科部隊の小銃小隊に配備され、個人携行式として一人の射手が肩に担いで使用します。システムは、発射筒、重さ11.4kgのミサイル本体、発射機、日本電気製の夜間照準具から成り、総重量は17.5kgです。ミサイルは発射筒を通じて射撃され、毎分4発の発射が可能です。訓練用には演習弾を使用することもでき、実運用時の総重量は約35kgになることもあります。これは一人の射手が運ぶ負担につながります。

赤外線画像誘導

01式の大きな特徴は、赤外線画像誘導を採用していることです。これにより、戦車などの発する赤外線をキャッチし、途中での誘導が不要な「撃ち放し」能力を実現しています。また、ダイブモードおよび低伸弾道モードを使い分け、戦車の上面を狙うことができます。

発射能力と範囲

発射時には後方爆風が少なく、掩体や車両上からも発射可能です。射程については具体的な数値は公表されていないものの、富士総合火力演習では1,000m先の固定目標に対して撃つ様子が確認されています。性能的には、アメリカのFGM-148ジャベリンやイスラエルのスパイクMR/LRと類似しています。

配備と運用

当初は普通科中隊内の対戦車小隊に配置する計画でしたが、編成の変更に伴い普通科小銃小隊への配備が進められました。平成22年度までに1,073セットが調達され、その後も追加調達が行われています。

魅力的な登場

01式軽対戦車誘導弾は、さまざまなメディアに取り上げられており、アニメ『Re:CREATORS』や小説『戦国自衛隊1549』などに登場します。これにより、一般市民にもその存在が知られるようになっています。また、異世界作品の中では、異常事態に対応する手段としても描かれるなど、多様な使われ方をしています。

結論

01式軽対戦車誘導弾ATM-5は、革新的な技術と実用性を兼ね備えた兵器であり、陸上自衛隊の戦闘能力を強化する重要な装備です。現場での実戦投入やメディアでの登場等を通じて、その影響力はますます広がることでしょう。

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