039A型潜水艦

039A型潜水艦について

039A型潜水艦（039Aがたせんすいかん）は、中国人民解放軍海軍が運用する攻撃型潜水艦の艦級であり、NATOコードネームは元型（元朝に由来します）。この艦型は041型とも呼ばれることがあります。元型は、現代戦において重要な役割を果たしている潜水艦の一つで、その設計にはロシアからの影響が強く見られます。

設計

039A型は、セイル部分が039型（宋型）に似ていますが、全体的な設計にはロシアのキロ型潜水艦の影響が見受けられます。舟体は涙滴型で、1軸の推進方式が採用されています。また、推進器は7翼のスキュード・プロペラが使われており、構造は完全に複殻式です。この艦は最大300メートルの潜航深度を誇ります。

この艦の最大の特徴は、非大気依存推進（AIP）機関です。この機関はスターリングエンジンを基にしており、人民解放軍海軍は1980年代からこの技術の研究を進めてきました。最終的に、2004年にはこのスターリングエンジンが搭載されることとなります。また、通常のディーゼル・エレクトリック方式での航行時にはMTU 396 SE84シリーズのディーゼルエンジンを使用しています。

装備

039A型潜水艦には、艦首にアクティブ・パッシブ両用のソナーアレイと、艦側面に貼り付けられたパッシブ・アレイが装備されています。ただし、曳航アレイは持たないと考えられています。

魚雷発射管は、533mmの標準タイプで、上に2本、下に4本の計6本が取り付けられています。この発射管からは、YJ-82潜水艦発射対艦ミサイルや魚雷、機雷を発射することができます。

型式

039A型は様々な改設計を経ており、初期型の039A型、改良型のAG型、B型、B改型、発展型のC型に分類されます。

• - 039A型: 初期型で、艦艇の外観上は前級との違いとしてセイル後端に整流フィンがない点があります。
• - 039AG型: 船体の前部とセイルの結合部分が角を丸くした構造になっています。
• - 039B型: セイルの設計を変更し、ソナーシステムがアップグレードされており、この型から側面ソナーが装備されています。
• - 039B改型: 丸みを帯びた形状に改善されています。
• - 039C型: スウェーデンの潜水艦に似た設計で、静粛性と水中での性能を向上させ、曳航式ソナーを初めて装備しています。

運用

中国人民解放軍海軍が主体となって運用している039A型は、国外でも販売されています。2017年にはタイ海軍が中国から潜水艦の購入を計画し、実際に米国やドイツの影響を受けながら交渉が進められましたが、一部問題が発生しました。

また、2015年にはパキスタン政府が中国から8隻の改良型039B型を購入する契約を結び、両国の協力体制が強化されています。この契約には技術移転も含まれており、将来的な艦艇の自主建造へとつながる期待があります。

登場作品

漫画『空母いぶき』には、架空の艦「遠征102」と「遠征103」が登場し、これらの艦が中国人民解放軍の艦艇に戦いを挑むシーンが描かれています。

このように、039A型潜水艦はその技術や運用において影響力を持つ艦級として、今後も注目され続けることでしょう。

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