1・2の三四郎 2

1・2の三四郎 2

小林まことによる漫画作品。『週刊ヤングマガジン』にて1994年から1998年まで隔週連載されたプロレス漫画であり、『1・2の三四郎』の続編。

概要

作者自身がプロレスファンであるため、作品内ではプロレス業界の描写や、技のかけ方、力の入れ具合まで詳細に描かれている。

前作から10年を経て続編が描かれた背景には、作者が主人公のキャラクター造形に苦心していたことが挙げられる。そんな折、「そういえば三四郎がいたな」と思い出し、どうせ描いても三四郎のようになるなら、いっそのこと続編にしようという発想に至ったという。

作中にはアンチ格闘技系プロレスとも取れる描写も見られるが、作者は連載が進むにつれて格闘技の持つ緊張感も必要だと感じるようになったと語っている。また、猪木の異種格闘技戦が好きだったことも明かしている。

なお、本作の続編として『格闘探偵団』が執筆されている。

あらすじ

3年間の海外武者修行を終えて帰国したプロレスラー・東三四郎は、所属していた新東プロの解散により引退。ファミレスの雇われ店長として働いていた。

それから2年後、かつての同僚レスラー・五頭信が三四郎の店に現れる。五頭は自身の立ち上げた団体であるFTO（実在のプロレス団体・プロレスリングFTOとは無関係）から解雇され、新団体を立ち上げることを決意。三四郎にエースとしての復帰を懇願する。

しかし三四郎は頑なに拒否。後日、五頭の様子が気になった三四郎は、後楽園ホールの「ドリームチーム」旗揚げ戦を観戦。そこで五頭のふがいない姿を目の当たりにする。

かつて一大勢力だった新東プロが崩壊し、日本のプロレス界は16もの団体が乱立する戦国時代に突入していた。五頭率いるFTOは人気実力ともNo.1だったが、キックやサブミッションを中心とした格闘技系プロレスを標榜する赤城欣市が「五頭のプロレスは子供騙しのショー」と反旗を翻す。

世代闘争の一騎討ちで、五頭は赤城に5戦全敗。両膝を壊されてしまう。赤城の発言に心を揺さぶられた三四郎は、「闘魂」に火がつき、復帰を決意する。

最強のプロレスラー・東三四郎の新たなる闘魂伝説が幕を開ける。

登場人物

ドリームチーム

FTOを追われた五頭信が立ち上げた団体。旗揚げ戦は不入りだったが、東三四郎や元「桜軍団」のレスラー達が入団し活気を見せ始める。リングリーダァを吸収し、プロ柔道や田中プロレスの残党を受け入れたことで、正統派プロレスからデスマッチ、格闘技戦までバラエティに富んだ団体となる。

主要人物

東 三四郎（あずま さんしろう）
本編の主人公。かつての新東京プロレス（新東プロ）で将来を嘱望されたレスラー。
アメリカ武者修行から帰国後、新東プロの解散により引退し、ファミレス店長として生活していた。
赤城欣市の挑発に乗る形で現役復帰を決意。最強のプロレスラーを目指す。

五頭 信（ごず しん）
ドリームチーム代表取締役社長兼レスラー。元アマレスチャンピオンで、新東プロの黄金期を支えた。
自身の立ち上げたプロレス団体「FTO」を赤城に乗っ取られ、新たに「ドリームチーム」を設立。
三四郎にエースとしての復帰を懇願する。

西上 馬之助（にしがみ うまのすけ）
元桜軍団の若手レスラー。関西出身で、三四郎の高校時代からの親友。
メキシコ修行を経て覆面レスラー「ザ・オコノミマン」として活躍していたが、新東プロ解散後に引退。
五頭の自殺未遂騒ぎで三四郎達と共に赤城に挑発されて現役復帰を決意。

成海 頁二（なるみ ぺいじ）
元桜軍団の若手レスラー。スキンヘッドで長身痩躯の元空手チャンピオン。
新東プロ解散後はレスラーを辞めて寺の住職になっていた。
五頭の自殺未遂騒ぎで三四郎達と共に赤城に挑発されて現役復帰を決意。

本間 ほたる（ほんま ほたる）
三四郎が店長を務めていたファミレスでアルバイトをしていた女子高生。
「ドリームチーム」のバイトとして転がり込み、後にプロレスラーになることを志願。

東 志乃（あずま しの）
三四郎の妻。高校時代からのガールフレンド。
三四郎の復帰後はドリームチームの世話役として裏方作業をこなす。

赤城 欣市（あかぎ きんいち）
世代交代で五頭を叩きのめし、FTOエースの座に君臨した実力派レスラー。
* 格闘技志向のプロレスを展開する。

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