1・2・3と4・5・ロク

『1・2・3と4・5・ロク』

概要

『1・2・3と4・5・ロク』は、ちばてつやが手がけた日本の漫画作品です。1962年1月から12月まで「少女クラブ」（講談社）に連載され、後に1972年と1988年から1990年にかけてドラマ化されました。この作品は、北白川家の5人の兄弟が愛犬ロクと共に繰り広げる楽しい日常や、様々な騒動をほのぼのと描いています。母親を失った子供たちが明るく生きる姿を描くファミリー向けのホーム・コメディーであり、多くの読者に愛されています。1962年には第3回講談社児童まんが賞を受賞したことでも知られています。

内容

北白川家は父の雄介を中心に、長女の一枝、長男の次郎、次女の三枝、次男の四郎、そして末っ子のいつ子の5兄弟という大家族。よくある日常から派生する笑いや感動的なエピソードが詰まったこの物語は、特に兄弟の絆や家族の大切さをテーマにしています。子供たちはそれぞれの個性を持ちながらも、仲良く過ごし、時にはトラブルに見舞われつつも、明るい未来を信じて前向きに生きています。特に、ロクという大型犬が北白川家に加わることで、家族の絆はさらに深まります。

登場人物

• - 北白川雄介: 子供たちの父で刑事。強い正義感を持つ。
• - 一枝: 高校生でしっかり者。弟妹たちの母親代わり的存在で、三枝の担任の長島先生に恋心を抱く。
• - 次郎: 中学生で高校受験を控え、兄としての責任感を持つ。
• - 三枝: 小学生で、母親を恋しく思いながらも優しい兄弟愛を感じている。
• - 四郎: やんちゃな小学生だが、寂しさを内に秘める。
• - 五子: 末っ子の甘えん坊で、家族のアイドル的存在。
• - ロク（犬）: いじめられていたところを助けられ、北白川家の一員となる。
• - 長島先生: 三枝の担任高校教師で、後に一枝と関係を持つ。
• - 和尚さん: お寺の住職で、ロクを一時預かっていた。北白川家との交流もある。

ドラマ化

『1・2・3と4・5・ロク』は、1972年にTBSで放送されたドラマ版が特に有名です。全26回が放送され、初期の視聴率も良かったため、桃屋の一社提供で運営されていました。特に声優に三木のり平を迎え、ロクのモノローグを担当しました。オープニングテーマやエンディングテーマも代表的な曲として親しまれており、作詞・作曲には丘灯至夫と広瀬健次郎が名を連ねています。続く1988年からの関西テレビ版では、少し時代設定が変わり、現代の物語として新たに描かれました。その中でも一枝の恋愛模様が強調され、ラブコメの要素が加わりました。

文化的な影響

この作品は、家族の絆や愛情を描いたことから、世代を超えて多くのファンに受け入れられました。家庭における笑いや涙、そして成長を描くストーリーは、視聴者に強い共感を呼ぶ内容となっており、特に当時の家庭像や子育てについて考えさせられる部分が多々あります。

まとめ

『1・2・3と4・5・ロク』は、母を失った子供たちが明るく過ごす姿を通じて、家族の絆の大切さを教えてくれます。漫画だけでなく、ドラマ化されることでその魅力は一層広まり、多くの人々の心に残る作品となっています。

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