1月にはChristmas

1月にはChristmas：出会いと別れを描いたOVA作品

『1月にはChristmas』は、岩館真理子による同名漫画を原作としたOVA作品です。1983年に『週刊マーガレット』に掲載された短編漫画を、1991年にOVA化しました。制作はマジックバス、監督は出崎哲が担当しました。

概要

物語は、クリスマスに辛い思い出を持つ少女・立野瑞希と、青年・藤岡順正との出会い、そして束の間の交流と別れを描いています。舞台は東京都武蔵野市。ひねくれた性格の瑞希と、彼女を気にかける順正の心の交流が、繊細に描かれています。

OVA化にあたっては、瑞希役に林原めぐみ、順正役に子安武人といった人気声優が起用されました。また、シンガーソングライターの岡崎律子が、初めてアニメの主題歌を自身の歌声で担当した作品としても知られています。主題歌『冬のないカレンダー』は、岡崎の透明感あふれる歌声が作品の雰囲気を盛り上げ、多くのファンを魅了しました。

ストーリー

物語は、クリスマス直前の雪の日から始まります。大学生の藤岡順正の隣に、立野瑞希という少女が引っ越してきます。瑞希は「クリスマスは嫌い」と繰り返します。順正は、なぜ彼女がクリスマスを嫌うのか、なぜ一人で大きな家に暮らしているのか、気にかけるようになります。クリスマスの直後、ある事件が起こり、瑞希の過去が明らかになっていきます。

キャスト

立野瑞希：林原めぐみ
藤岡順正：子安武人
柏木世衣子：日髙のり子
坊屋：二又一成
藤岡閑照：藤本譲
手紙の声：堀勝之祐

スタッフ

原作：岩館真理子
監督：出崎哲
脚本・絵コンテ：胡桃野蛍樹
キャラクターデザイン・作画監督：小林ゆかり
音楽：川崎真弘
主題歌：岡崎律子『冬のないカレンダー』

岡崎律子と林原めぐみの出会い

本作は、林原めぐみと岡崎律子の出会いの作品としても知られています。林原は、瑞希役に決まっていた際、スタジオで岡崎と出会い、彼女が主題歌を歌うことを知りました。林原は岡崎の歌声に感銘を受け、彼女を大月俊倫に引き合わせ、以降、数多くの楽曲提供を受けることになります。

林原めぐみの新たな可能性

また、本作は林原めぐみが『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイ役に抜擢されるきっかけになった作品でもあります。当時、元気で活発な少女役が多かった林原ですが、庵野秀明監督は本作のOVAを見て、クールな綾波レイ役に林原を起用することを決めたと言われています。

入手困難な現状

OVA『1月にはChristmas』は、現在廃盤となっており、DVD版やBlu-ray版の発売予定もありません。岡崎律子が主題歌を担当した最初のアニメ作品ということもあり、岡崎のファンを中心に人気が高く、VHS版・LD版ともに非常に入手困難な状況が続いています。

まとめ

『1月にはChristmas』は、岩館真理子の原作の魅力を最大限に引き出したOVA作品です。クリスマスの切ない物語、岡崎律子の歌声、林原めぐみの演技、出崎哲の演出が織りなす感動は、今も多くの人々の心に深く刻まれています。

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