100円ショップ

100円ショップの概要と歴史

概要

100円ショップ（ひゃくえんショップ）は、基本的に店内の商品が原則100円（税別）で販売される小売店の形態です。この業態は「100均」または「百均」とも呼ばれ、購入者に手軽さと低価格なイメージを提供しています。中には99円やそれ以下の価格を設定した商品を扱う店舗や、100円を基本としながらも200円、300円、500円の商品の取り扱いも行っている店も存在します。また、300円均一で商品を販売する「300円ショップ」といった別の業態も見られます。

100円ショップで扱われる商品は多岐にわたり、加工食品、化粧品、日用品、文房具、生活必需品などが中心です。ほとんどの店舗はチェーン展開を行っており、大手には大創産業（ダイソー）、セリア、キャンドゥ、ワッツなどがあります。これらの店舗は合計で約5500店舗を展開しており、2012年度の売上高は約5500億円に達しています。100円ショップの経営は、創業家が株式を多く保有していることが特徴で、流通系企業の影響を受けず独自の発展を遂げています。

歴史

前史

「均一価格での商品販売」の考え方は、江戸・明治時代に遡ります。享保年間には「十九文見世」や「三十八文見世」が流行し、均一価格の食べ物屋台「四文屋」も人気を博しました。また、明治時代には「均一法大売出し」や「一円均一」といった販売形態も見られました。

十銭ストア

戦前の「十銭ストア」は、髙島屋が展開していた店舗で、アメリカの10セントストアを参考にしたとされています。1930年代には全国に50店舗以上を展開し、日常生活に不可欠な商品を幅広く取り揃え、高い支持を得ていました。この頃の「十銭」は現在でいうところの180円程度に相当し、当時の消費者にとってお手頃な商品が多かったです。

1960年代と1980年代の催事販売と固定店舗の誕生

1960年代には催事販売が行われ、その後1985年に有限会社ライフが日本初の固定店舗による100円ショップを誕生させました。この店が「100円ショップ」と名付けられ、同業界におけるパイオニアとしての地位を築きました。以降、ダイソーやキャンドゥ、セリアなどの競合が次々と参入し、店舗数が増加していくことになります。

2000年代以降の発展

2000年代に入ると、100円ショップは食品を主体とした生鮮コンビニの形態も登場し、ビジネスモデルが多様化しました。また国外の製造業者に依存しつつ、独自のオリジナル商品を展開することで、品質とコストダウンを両立させようとする動きも強まりました。これにより、100円ショップは経済的な厳しさの中でも成長を続け、「不況時代の成長業界」として注目されるようになりました。

現状と未来

現在の100円ショップは、消費者のニーズに応じた商品構成が求められるようになっていますが、依然としてコストを抑えた製品を提供することが重要です。今後も新たな商品開発や流通手法の改善が期待されており、100円ショップ業態の進化は続くと考えられます。

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