10101〜“WILL”The Starship〜

『10101〜“WILL”The Starship〜』の概要

1997年11月6日、サンテックジャパンはプレイステーション向けに『10101〜“WILL”The Starship〜』をリリースしました。このコンピュータRPGは、同社の前作『里見の謎』に続く第2弾であり、製作総指揮を務めた小澤公平は会社社長である小澤夢生の兄です。ゲームはプレイヤーにユニークな体験を提供しようと試みましたが、その結果、屈指のクソゲーと称されることとなりました。

ゲームの内容

本作は、宇宙戦艦「ウィル」を舞台にしたスペースオペラファンタジーです。ゲームはプレイステーションのハードを十分に生かせておらず、独特なキャラクター名や、進行が遅いストーリー展開など、多くの笑いを誘う要素があります。しかし、特異なゲーム設計により、プレイヤーにとっては理解しづらい部分も多く、完成度の低さを感じさせる要因となっています。音楽制作会社だったサンテックがゲームの常識を理解せずに制作を行った結果、このような作品が誕生したとも言われています。

特徴

このゲームは説明書がわずか8ページしかなく、すぐに内容が尽きてしまいます。操作方法は最後のページにようやく説明されていますが、その以前の部分は断片的でわかりにくいことで知られています。ゲームのオープニングやロゴ表示が非常に長く、スキップすることもできません。

ニューゲームを開始すると、いきなり戦闘画面が現れ、その後長い説明が続きます。この際に解説者の顔が、メッセージゾーンのイラストと異なる点が笑いを誘います。セーブ場所は2ブロック分の30セットが用意されていますが、セーブ自体も遅く、ガイド文もユーモラスです。セーブが完了すると、お祝いのメッセージが表示される点も奇妙です。

本作には多くの珍奇な台詞があり、クルーとの会話はストーリーとは関係が薄い内容が多いです。この作品ではボイスの数が増えており、ほとんどのキャラクターに声が当てられています。声優には有名な飯島愛の名前があり、彼女の声優デビュー作とされていますが、実際には他作品に出演経験があります。また、人気声優の飯塚雅弓も参加していますが、石田彰の名前はパッケージに記載されていないなど、キャスティングには謎が残ります。

ゲームプレイ

プレイヤーが操る宇宙戦艦「ウィル号」は、直進と旋回しかできません。このため、目的地への移動が困難でエネルギーを不必要に消費する結果に繋がります。マップは2D式で、ファミコンの時代を思い起こさせるデザインです。エンカウント戦闘においても、戦闘の可視性が低く、敵に攻撃が当たったかどうかわかりづらいです。また、エネルギー消費が移動と戦闘で共通であるため、初心者は宇宙ステーションに戻ることを繰り返すことになります。

ゲーム内には自爆コマンドが存在し、クルーに話しかけると「自爆」の選択肢が表示されます。CD-ROMのトラック2を再生すると警告メッセージも流れます。

登場人物

• - シンラ・アネーニャ（声：飯島愛）
• - センドー・ユウキ（声：大川透）
• - マルチニ・メカフェッチ（声：石田彰）
• - ユウ・ヤローン（声：氷上恭子）
• - ミルカ・メイロー（声：飯塚雅弓）
• - ドク・ヘクーツ（声：小澤公平）
• - 三郎君（声：飯塚雅弓）

タイトルの由来

ゲームのタイトル「10101」は、二進法が由来とされています。独特で奇抜なこの作品は、RPGファンの間で特異な地位を築いています。奇妙なゲーム体験を求める方には興味深い一作となるでしょう。

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