11'09''01/セプテンバー11

映画『11'09''01/セプテンバー11』

2002年に公開された映画『11'09''01/セプテンバー11』は、アメリカ同時多発テロ事件をテーマにしたオムニバス作品です。この映画は、2001年9月11日に起きた衝撃的な事件を受けて、異なる国籍を持つ11人の映画監督がそれぞれ「9月11日」を独自の視点で描写しています。各短編はそれぞれ異なる文化的背景や価値観を反映し、映画全体は約11分9秒という統一された時間にまとめられています。

プロジェクトの目的

この映画は、テロによって引き裂かれた多様な目線を通じて、平和と人間性についてのメッセージを伝えることを目指しました。各監督は、地方特有の視点から事件への反応や影響を示しながら、日常の中に潜む不安や悲しみ、希望を表現しています。

主な監督と国

映画には、イランのサミラ・マフマルバフ、フランスのクロード・ルルーシュ、エジプトのユーセフ・シャヒーン、ボスニア・ヘルツェゴビナのダニス・タノヴィッチ、ブルキナファソのイドリッサ・ウエドラオゴ、イギリスのケン・ローチ、チリのアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、イスラエルのアモス・ギタイ、インドのミーラー・ナーイル、アメリカのショーン・ペン、そして日本の今村昌平が参加しています。特に、各監督の文化や国情が短編にしっかりと反映されている点が、本作の特徴です。

受賞歴

『11'09''01/セプテンバー11』は、2002年の第59回ヴェネツィア国際映画祭で優秀短編賞を受賞し、さらにユネスコ賞も獲得しました。これらの受賞は、作品が持つメッセージの重要性と、その芸術的価値を広く認められた証拠です。

日本での上映

映画は、2002年9月11日に日本で同時多発的に公開されました。初めにテアトルタイムズスクエアで特別上映会が開かれ、その後、衛星放送やインターネットテレビで配信されました。翌日の深夜には地上波（TBS系列）でも放送され、多くの人々にこの作品を届けました。

各短編の内容

各監督の短編はそれぞれ独立していますが、共通して人間の苦悩と希望を描いています。例えば、イランのサミラ・マフマルバフ監督は、戦争の影響に苦しむ人々の姿を映し出し、フランスのクロード・ルルーシュ監督は、家族の再会を通して愛と喪失を表現しました。エジプトのユーセフ・シャヒーン監督、ボスニア・ヘルツェゴビナのダニス・タノヴィッチ監督もそれぞれの文化に根ざした独創的な物語を展開，これにより、観客は多様な人間の絆を体感できます。

このように、映画『11'09''01/セプテンバー11』は、多様な文化的視点を持つ監督たちによって作られ、共通のテーマを通じて連帯感を生む作品として、視聴者に強い印象を与える映画となっています。

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