11:14

11:14

概要

映画『11:14』は、2003年に製作されたアメリカ合衆国のサスペンス・スリラー映画です。監督はグレッグ・マルクスが務め、彼自身が脚本も手がけました。アカデミー賞受賞経験を持つヒラリー・スワンクが主演し、製作総指揮にも名を連ねています。この作品は、ある夜の特定の時刻「午後11時14分」を中心に、複数の登場人物に降りかかる予測不能な出来事を描いた群像劇です。

物語は複数の視点から展開され、それぞれのキャラクターが経験する事件が、当初はまったく無関係に見えます。しかし、物語が進むにつれて、驚くべき偶然や連鎖によって、これらの出来事や人物が複雑に絡み合っていることが明らかになっていきます。緻密に構成されたパズルのようなシナリオが特徴です。

作品全体にブラックユーモアが散りばめられており、単なるスリラーやサスペンスといった枠に収まらない独特の雰囲気を持っています。不条理ともいえる状況や皮肉な展開が多く、ブラックコメディとしての側面も強く打ち出されています。このユニークなトーンと巧みなストーリーテリングが高く評価されました。

主要キャストには、主演のヒラリー・スワンクのほか、パトリック・スウェイジ、コリン・ハンクス、レイチェル・リー・クックといった実力派俳優たちが名を連ねています。彼らが演じる個性豊かなキャラクターたちが、それぞれの運命の糸に翻弄されていく様が見どころの一つです。

日本では、劇場公開のほか、WOWOWでの放送時には『惨劇の11時14分』という邦題が使用されたこともあります。

物語の断片（あらすじより）

物語は、異なる登場人物が午後11時14分頃に遭遇する衝撃的な出来事を交互に描いていきます。

深夜のハイウェイを車で走っていたジャックは、突然、何かがフロントガラスに衝突する衝撃に見舞われます。車を降りて確認すると、そこには変わり果てた人間の死体が転がっていました。パニックに陥ったジャックは、この事実を隠蔽しようと死体を車に詰め込もうとしますが、そこに別の車が通りかかります。

同じ頃、ティーンエイジャーのティム、マーク、エディの三人組は、車でふざけながらドライブを楽しんでいました。酔って興奮したエディが窓から身を乗り出した瞬間、車が通行人と衝突してしまいます。呆然とする彼らに、見知らぬ男が発砲してきて、命からがら逃走しますが、エディは大切なものを現場に落としてきたと言い始めます。

さらに時間を遡ったその少し前、フランクは愛犬を連れて散歩中、墓地で娘シェリーのボーイフレンドであるアーロンの遺体を発見します。遺体の傍らにシェリーの名前が入った車の鍵を見つけたフランクは、娘が事件に関与していると直感し、これを隠すために遺体を処理しようと、ハイウェイ沿いの陸橋へと向かいます。

これらの seemingly unrelated な出来事が、ある特定の時間帯を中心に連鎖し、やがて一本の線へと繋がっていく過程が、本作の最大の魅力です。

キャスト

バジー - ヒラリー・スワンク（日本語吹替：石塚さより）
フランク - パトリック・スウェイジ（日本語吹替：相沢まさき）
シェリー - レイチェル・リー・クック（日本語吹替：氷上恭子）
ジャック - ヘンリー・トーマス（日本語吹替：芦澤孝臣）
ノーマ - バーバラ・ハーシー（日本語吹替：雨谷和砂）
マーク - コリン・ハンクス（日本語吹替：前野智昭）
ティム - スターク・サンズ
エディ - ベン・フォスター
ダフィ - ショーン・ハトシー
ハナガン保安官 - クラーク・グレッグ
ケビン - リック・ゴメス

スタッフ

監督：グレッグ・マルクス
脚本：グレッグ・マルクス
製作：ボー・フリン、ラジュ・パテル、ジョン・モリッシー
製作総指揮：サミー・リー、デヴィッド・ルービン、ヒラリー・スワンク、スチュワート・ホール
音楽：クリント・マンセル
撮影：シェーン・ハールバット
編集：ダン・レーベンタール、リチャード・ノード
* 美術：メイシー・ベナー

もう一度検索