12RIVEN -the Ψcliminal of integral-

12RIVEN -the Ψcliminal of integral-：複雑な謎が織りなすアドベンチャーゲームの世界

『12RIVEN -the Ψcliminal of integral-』（以下、『12RIVEN』）は、2008年3月13日にPlayStation 2、同年4月4日にはWindows版がAmazon.co.jpで発売されたアドベンチャーゲームです。略称は『12RIVEN』または『12R』として知られています。

Infinityシリーズから続くIntegralシリーズ

『12RIVEN』は、『Never7（infinity）』『Ever17』『Remember11』で知られる「infinityシリーズ」に続く「integralシリーズ」の第一作目として位置づけられています。しかし、「infinityシリーズ」の最新作である『code_18』（2011年発売）が発表された一方、「integralシリーズ」の続編は現在も発表されていません。

開発は当初KIDが行っていましたが、2006年11月末のKID倒産により、サイバーフロントが版権などを継承し、開発が継続されたという経緯があります。原案・脚本監修は、『Memories Off』や「Infinityシリーズ」で知られる打越鋼太郎氏が担当しています。

ゲームには通常版に加え、サウンドトラックCD2枚組と打越鋼太郎氏インタビュー掲載の小冊子が同梱されたサウンドトラック同梱版も発売されました。Windows版もPS2版と同等のサウンドトラック同梱版が提供されました。さらに、Windows版として『12RIVEN』と「Infinityシリーズ」三部作をまとめた『Infinity Plus』も販売されました。

恋愛要素のない、多重ルート構成のシナリオ

『12RIVEN』は従来作品のような恋愛ゲーム要素や攻略対象となるヒロインが存在しません。物語は、二人の主人公、雅堂錬丸と三嶋鳴海の視点から交互に展開されます。これは「infinityシリーズ」の中では『Remember11』に近い構成と言えるでしょう。

しかし、『Remember11』のような、片方のルートでの行動がもう片方に影響するといった要素はなく、バッドエンドの数もそれほど多くありません。ゲームは前半の共通ルートから、プレイヤーの選択によって中盤で「錬丸ルート」か「鳴海ルート」のどちらかに分岐します。

どちらかのルートをクリアしただけでは、物語の全貌は解明されず、むしろ新たな謎が増えることになります。物語の真実にたどり着くためには、両方のルートを最後までプレイし、共通ルートに変化を起こすことで解放される最終章「∫（インテグラル）ルート」をクリアする必要があるのです。これは『Ever17』のココ編と同様の構造と言えるでしょう。「∫ルート」で初めて、ゲーム中にちりばめられていた謎や伏線が解き明かされ、物語は完結します。

発売延期とストーリー概要

PlayStation 2版は、当初2007年 12月6日発売予定でしたが、2008年 2月14日、そしてさらに延期され、2008年3月13日に発売されました。一度目の延期は、打越鋼太郎氏自身のブログによると、氏のシナリオ作成の遅延が原因だったとされています。

物語は、「第弐エクリプス計画」の阻止を軸に展開します。2012年5月20日、高校生である錬丸と特殊公安捜査官の鳴海は、少女ミュウの殺害予告メールを受け取ります。殺害時刻は正午、場所はインテグラルの最上階。現場に急行した二人が目撃したのは、未知の術「Ψ」を使う者たち、サイクリミナルでした。

登場人物

『12RIVEN』には、個性豊かな登場人物たちが登場します。主人公である錬丸と鳴海、そしてサイクリミナルのリーダーである霧寺メイをはじめ、それぞれのルートに関わる様々なキャラクターたちが物語を彩ります。それぞれのキャラクターの背景や関係性が、物語の謎解きにおいて重要な役割を果たしています。

スタッフと主題歌

本作は、打越鋼太郎氏による原案・脚本監修をはじめ、豪華スタッフ陣によって制作されました。主題歌は、オープニングテーマ『third bridge』、エンディングテーマ『プロセス』、そしてPSP版のオープニングテーマ『時のない世界』とエンディングテーマ『Distance』など、印象的な楽曲がゲームを盛り上げます。

12RIVEN -the Ψcliminal of integral-