160mm迫撃砲M-160

160mm迫撃砲M-160の概要

160mm迫撃砲M-160は、第二次世界大戦後にソビエト連邦によって開発された後装式の重迫撃砲です。この砲は、第二次世界大戦中に使用されていたM-43の後継モデルとして1950年代から運用が開始されました。M-160は、その先代であるM-43に比べて、主に砲身の長さが延長されており、約3メートルから約4.5メートルに増加しました。この改良により、射程も大幅に向上し、M-43の約5キロメートルからM-160では約8キロメートルに延びました。

配備と運用

M-160は、1953年にソビエト連邦軍に配備され、当初はすべての師団に迫撃砲として広く利用されました。しかし、時が経つにつれ、これらの砲は特に山岳地帯や市街地での戦闘を専門とする砲兵部隊に集中して配備されるようになりました。特に、ベトナム人民軍はこの砲を、防御が施された敵の拠点や掩体壕、塹壕などを破壊するために有効な武器として位置づけています。

反撃の際に敵軍が隠れやすい丘陵や市街地での運用が効果的であり、これによりM-160の戦略的価値がさらに高まっています。トラックなどによる牽引が可能で、GAZ-66のような車両に連結し、あらゆる地形への配備が容易です。

国際的な広がり

さらに、中国人民解放軍はこのM-160をコピー生産した56式160mm重迫撃砲を各野戦師団に配備していました。また、M-160やその中国製モデルは、ソビエト連邦の友好国および東側諸国、中東では、さまざまな戦争で使用されてきました。具体的には、中東戦争やレバノン内戦、印パ戦争、シリア内戦など、数多くの戦闘において実際に運用されています。

運用者の一部であるイラク軍は、M-160または56式を利用して、T-54/T-55戦車の車体に搭載した自走迫撃砲を独自に開発し、戦闘に活用しました。このように、M-160はその基本性能を活かし、様々な地理的条件や戦況に応じた運用が行われてきました。

結論

全体として、160mm迫撃砲M-160は、信頼性と射程において優れた重迫撃砲として評価されています。長年にわたる使用実績と多様な運用方法により、現在でも多くの国でその価値が再確認されています。この砲は、歴史的にも技術的にも重要な位置を占め続けており、現代の戦争においても重要な役割を果たしています。

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