1770年の相撲

1770年の相撲

1770年（明和7年）における相撲界の動向について、本場所を中心に解説します。この年は、江戸、大坂、京都の各地で相撲興行が開催され、それぞれ異なる特徴を持っていました。

各地の本場所

3月場所（江戸相撲）

興行場所: 芝西久保八幡境内
日程: 4月3日（旧暦3月8日）より、晴天8日間

この場所は、江戸における春の相撲興行として、芝西久保八幡境内で行われました。当時の相撲は、現在のように年間を通して定期的に開催されるものではなく、天候に左右される要素も大きかったため、晴天が続くことを願って興行が行われました。

5月場所（大坂相撲）

興行場所: 堀江
日程: 5月30日（旧暦5月6日）より興行

大坂では、堀江を舞台に5月末から相撲興行が開催されました。大坂相撲は、江戸相撲とは異なる独自の文化を持ち、地域の人々に親しまれていました。この時期の興行は、夏の訪れを感じさせるものであったでしょう。

6月場所（京都相撲）

興行場所: 二条川東
日程: 6月30日（旧暦6月8日）より興行

京都では、二条川東で6月末に相撲興行が開催されました。京都相撲もまた、独自の歴史と伝統を持ち、都の文化を反映したものでした。この時期の京都は、梅雨の時期にあたり、天候が興行に影響を与えた可能性もあります。

11月場所（江戸相撲）

興行場所: 市ヶ谷丸内坂
日程: 12月25日（旧暦11月9日）より、晴天8日間

江戸では、年末に市ヶ谷丸内坂で相撲興行が行われました。この場所も、天候に恵まれることを願って晴天8日間として開催されました。年末の江戸の風物詩として、多くの人々が相撲を楽しんだことでしょう。

まとめ

1770年の相撲は、江戸、大坂、京都の各都市でそれぞれ特色のある興行が行われました。これらの場所は、現代の相撲とは異なり、神社境内や河川敷など、その土地の文化や風土を反映した場所で行われていました。また、興行日程も旧暦に基づいており、当時の生活と密接に結びついていたことがわかります。

相撲は、単なる武道やスポーツとしてだけでなく、当時の社会や文化を映し出す鏡のような存在でした。この年の相撲の記録は、当時の人々の生活や文化を理解する上で貴重な資料となります。

参考文献

* 酒井忠正『日本相撲史 上巻』ベースボール・マガジン社、1956年6月1日。

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