1794年の相撲

1794年の相撲界の動向

1794年（寛政6年）の相撲界では、様々な出来事がありました。この年の主な出来事、興行、上覧相撲について詳細をまとめました。

大童山文五郎の初土俵

この年、数え年7歳という若さで大童山文五郎が初土俵を踏みました。彼の愛らしい姿と力強い取り組みは、たちまち江戸の人々を魅了し、その人気は爆発的に広がりました。大童山の土俵入りは、当時の浮世絵師たちによって数多く描かれ、その人気ぶりが伺えます。この出来事は、相撲界に新たなスター誕生を告げるものでした。

1794年の興行

1794年には、各地で相撲興行が開催されました。以下に、主な興行場所と日程をまとめます。

3月場所（江戸相撲）

興行場所: 深川八幡宮境内
日程: 4月18日（旧暦3月19日）より、晴天10日間

深川八幡宮で行われたこの興行は、春の訪れとともに多くの人々で賑わいました。境内に設けられた土俵で、力士たちの熱戦が繰り広げられました。

7月場所（大坂相撲）

興行場所: 難波新地
日程: 8月10日（旧暦7月15日）より興行

大坂では、難波新地を舞台に夏の興行が開催されました。上方ならではの相撲が展開され、多くの観客を魅了しました。

11月場所（江戸相撲）

興行場所: 本所回向院
日程: 12月8日（旧暦11月16日）より、晴天10日間

本所回向院での興行は、冬の訪れを感じさせる中で行われました。力士たちの熱い取り組みは、寒さを吹き飛ばすほどの熱気に包まれました。

将軍徳川家斉上覧相撲

1794年には、将軍徳川家斉による上覧相撲が開催されました。これは、将軍自らが相撲を観覧するという特別な催しでした。

上覧場所: 浜御殿
上覧日: 6月19日（旧暦5月22日）

浜御殿で行われた上覧相撲は、格式高い雰囲気の中で行われました。力士たちは、将軍の前で最高のパフォーマンスを披露し、その勇姿を讃えられました。

まとめ

1794年は、大童山文五郎の初土俵や各地での興行、将軍上覧相撲など、相撲界にとって重要な出来事が数多くあった年でした。これらの出来事は、当時の相撲文化を語る上で欠かせないものです。特に、大童山文五郎の人気は、相撲が庶民の間で広く愛されるきっかけとなり、後の相撲人気につながる大きな一歩となりました。

参考文献:
* 酒井忠正『日本相撲史 上巻』ベースボール・マガジン社、1956年6月1日

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