1795年の相撲

1795年の相撲界は、激動の1年であった。この年、角界の第一人者であった大関谷風梶之助が、インフルエンザにより急逝するという悲しい出来事があった。彼の死は角界に大きな衝撃を与え、同時に、小野川喜三郎が単独の横綱として角界を背負っていくこととなった。

谷風梶之助の死

2月27日（旧暦1月9日）、大関谷風梶之助は、御猪狩風（現在のインフルエンザ）によりこの世を去った。彼の死は、当時の相撲界にとって計り知れない損失であった。谷風は、その卓越した実力と人気で、角界を牽引する存在であったからである。彼の突然の死は、多くの相撲ファンを悲しませた。

小野川喜三郎の一人横綱時代

谷風の死後、小野川喜三郎が一人横綱として角界を支えることになった。小野川は、その実力と風格で、谷風亡き後の角界をまとめ、新たな時代を築いていくこととなる。

1795年の興行

1795年には、江戸と大坂でそれぞれ相撲興行が開催された。各場所の詳細は以下の通りである。

3月場所（江戸相撲）
場所：本所回向院
期間：5月8日（旧暦3月20日）より晴天10日間興行
特記事項：雨天が続いたため、5日目で興行を打ち切りとなった。天候に左右される当時の興行の難しさが伺える。
8月場所（大坂相撲）
場所：難波新地
期間：9月24日（旧暦8月12日）より興行
特記事項：大坂相撲は、江戸相撲とは異なる雰囲気の中で開催された。
11月場所（江戸相撲）
場所：蔵前八幡宮境内
期間：12月30日（旧暦11月20日）より晴天10日間興行
特記事項：年末の開催となり、多くの観客で賑わった。

まとめ

1795年は、谷風梶之助の死という悲しい出来事があった一方で、小野川喜三郎が一人横綱として角界を牽引していくという、新たな時代の幕開けとなった年でもあった。また、興行面では、天候に左右されるなど、当時の相撲を取り巻く環境の厳しさも垣間見ることができる。この年は、相撲界にとって、大きな転換期となった一年であったといえるだろう。

参考文献

* 酒井忠正『日本相撲史 上巻』ベースボール・マガジン社、1956年6月1日。

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