1798年の相撲

1798年の相撲界は、大きな転換期を迎えました。前年末に横綱小野川喜三郎が引退したことで、横綱の地位が空位となり、土俵は新たな時代へと移り変わります。

この年以降、雷電為右衛門が圧倒的な強さを見せ、土俵を席巻します。雷電は、その卓越した力量で他の力士を寄せ付けず、向かうところ敵なしの状況でした。しかし、雷電に対抗できるような力士が現れなかったため、土俵の勢いは雷電の一強状態となり、寛政前期に隆盛を誇った江戸の相撲人気は徐々に衰退していくことになります。

1798年の主な相撲興行は以下の通りです。

3月場所（江戸相撲）
興行場所：芝神明社内
4月21日（旧暦3月6日）より、晴天10日間興行

7月場所（大坂相撲）
興行場所：難波新地
8月28日（旧暦7月17日）より、晴天10日間興行

10月場所（江戸相撲）
興行場所：本所回向院
12月1日（旧暦10月24日）より、晴天10日間興行

この年の相撲界は、雷電為右衛門の圧倒的な強さが際立つ一方で、他の力士たちがその勢いに抗うことができず、相撲の人気が徐々に衰退していくという、変化の年となりました。江戸相撲と大坂相撲、それぞれの地で興行が行われたものの、かつての勢いを取り戻すには至らなかったようです。


参考文献:
酒井忠正『日本相撲史 上巻』ベースボール・マガジン社、1956年6月1日。

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