1802年の相撲

1802年の相撲界の動向

1802年（享和2年）の相撲界は、江戸相撲と大坂相撲を中心に年間を通じて様々な興行が行われました。また、将軍徳川家斉による上覧相撲も開催され、相撲が社会的な関心を集めていた様子が伺えます。

各地の興行

江戸相撲
2月場所
開催場所：神田明神社内
日程：旧暦2月25日（新暦3月28日）より、晴天10日間
11月場所
開催場所：本所回向院
日程：旧暦11月13日（新暦12月7日）より、晴天10日間

江戸相撲は、神田明神や本所回向院といった有名な場所で開催され、多くの観客を集めました。特に、2月場所と11月場所は、それぞれ10日間の興行が行われ、当時の相撲人気の高さを物語っています。

大坂相撲
6月場所
開催場所：難波新地
日程：旧暦6月3日（新暦7月2日）より興行
10月場所
開催場所：難波新地
日程：旧暦10月1日（新暦10月27日）より興行

大坂相撲は、難波新地を拠点に6月と10月に興行が行われました。大坂においても、相撲は人気のある娯楽であり、多くの人々が観戦に訪れたと推測されます。

将軍上覧相撲

上覧場所：矢来御門内
上覧日：旧暦12月4日（新暦12月28日）

この年の特筆すべき出来事として、将軍徳川家斉による上覧相撲が挙げられます。この上覧相撲は、11月場所を中断して開催され、矢来御門内という特別な場所で行われました。これは、相撲が単なる興行だけでなく、将軍の前で披露される公式な行事としての側面も持っていたことを示しています。上覧相撲は、相撲界にとって大きな名誉であり、力士たちのモチベーション向上にもつながったと考えられます。

まとめ

1802年の相撲界は、江戸と大坂を中心に活発な興行が行われ、将軍上覧相撲という特別なイベントも開催されました。これらの記録は、当時の相撲が社会に深く根付いた娯楽であり、文化的な要素も持っていたことを示しています。相撲は、単なる力比べだけでなく、人々の心を動かすエンターテイメントとして、重要な役割を果たしていたと言えるでしょう。

参考資料

* 酒井忠正『日本相撲史 上巻』ベースボール・マガジン社、1956年6月1日。

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