1884年全米選手権 (テニス)

1884年 第4回全米選手権の概要

1884年に開催された第4回全米選手権は、アメリカ・ロードアイランド州のニューポート・カジノにおいて行われました。この年は、男子シングルスと男子ダブルスの競技が実施され、テニス界に新たな歴史が刻まれました。

大会の流れ

全米選手権は1881年に始まり、当初は男子シングルスと男子ダブルスのみが競技されていましたが、1887年から女子シングルス、1889年からは女子ダブルスが追加され、1892年からは混合ダブルスも公式競技に加わりました。1881年から1967年まで、各部門はそれぞれ独自の名称を持ち、異なるテニスクラブで開催されるという、当時の他の主要テニス大会では見られない特徴がありました。

競技形式

1884年から全米選手権では、「チャレンジ・ラウンド」と「オールカマーズ・ファイナル」の2つのラウンド形式が導入されました。この形式は、1878年の第2回ウィンブルドン選手権から採用されたもので、前年度の優勝者を除く選手が「チャレンジ・ラウンド」に参加し、優勝者への挑戦権を争います。前年度優勝者は無条件で「オールカマーズ・ファイナル」に出場でき、そこで当年度の優勝者が決まります。

各選手の成績

男子シングルスの結果

チャレンジ・ラウンド

• - 準々決勝 では

- パーシー・ナップがリビングストン・ビークマンを6-1, 6-2で勝利し、
- ハワード・テーラーがアレクサンダー・バン・レンセラーを6-4, 6-1で下しました。
- ウィリアム・ソーンがジョージ・リチャーズに不戦勝。
- クラレンス・クラークがA・C・ガルトを6-2, 6-2で勝ち上がりました。

• - 準決勝 では、ハワード・テーラーがパーシー・ナップに6-2, 2-6, 6-1で勝利し、ウィリアム・ソーンがクラレンス・クラークに2-6, 6-2, 6-3で勝ちました。

• - 決勝戦 では、ハワード・テーラーがウィリアム・ソーンを相手に6-4, 4-6, 6-1, 6-4で勝利し、チャレンジ・ラウンドの勝者が決定しました。

オールカマーズ・ファイナル

オールカマーズ・ファイナルでは、前年の優勝者リチャード・シアーズがハワード・テーラーを相手に6-0, 1-6, 6-0, 6-2で勝利し、見事に優勝を果たしました。これにより、シアーズは1881年から4連覇を達成したことになります。

男子ダブルス

男子ダブルスの部門では、リチャード・シアーズとジェームズ・ドワイトが連携し、アレクサンダー・バン・レンセラーとウォルター・ベリーを相手に6-4, 6-1, 8-10, 6-4で勝利しました。

競技ルールと形式

本大会の競技ルールは、ウィンブルドン選手権に基づいています。1884年からウィンブルドンでは「一方が2ゲーム勝ち越すまで」という方式が採用され始め、全米選手権でもこれに準じました。

全米選手権の大会は、初期の頃は特にアメリカ人選手が中心であったため、外国人選手の国籍表示は省略されることが一般的でした。これにより、地元の選手たちによる熱戦が繰り広げられました。

まとめ

1884年の第4回全米選手権は、テニスの競技形式やルールが進化していく中で、記憶に残る大会となりました。リチャード・シアーズの4連覇は、彼の卓越した実力を証明する出来事であり、今後のテニス界にも大きな影響を与えました。

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