1896年の相撲

1896年の相撲界の動向

1896年の相撲界は、東京相撲協会内で年初から大きな騒動が発生し、その後の協会運営に影響を与える出来事がありました。また、この年は後の相撲界を担う多くの力士が誕生しました。

年初に発生した騒動

1896年1月場所の直前、東京相撲協会の有力者であった年寄・高砂浦五郎が、協会の永久取締への就任を画策しました。これに対し、33名の力士が反発し、1月場所のボイコットを表明するという前代未聞の事態に発展しました。この騒動に対し、高砂側が最終的に折れる形となり、1月場所は無事開催されました。この騒動を受けて、2月には協会規約が改定されることとなりました。

1896年の本場所

1896年には、以下の場所が開催されました。

1月場所（東京相撲）
場所：本所回向院
日程：1月19日より晴天10日間
5月場所（東京相撲）
場所：本所回向院
日程：5月11日より晴天10日間
9月場所（東京大阪合併相撲）
場所：南地五階南手空地
日程：晴天10日間

1896年に生まれた力士たち

1896年には、後に相撲界で活躍する多くの力士たちが誕生しました。以下に主な力士をまとめます。

1月1日 - 剣岳吉五郎（最高位：前頭2枚目）
1月3日 - 吉野山要次郎（最高位：前頭筆頭）
1月4日 - 泉洋藤太郎（最高位：前頭7枚目）
1月25日 - 司天竜芳太郎（最高位：前頭筆頭）
4月16日 - 若常陸恒吉（最高位：前頭筆頭）
8月10日 - 駒木川蔵太郎（最高位：十両7枚目）
11月15日 - 高ノ山三郎（最高位：前頭6枚目）
11月23日 - 常ノ花寛市（第32代横綱、第2代日本相撲協会理事長）
12月28日 - 槍ヶ嶽峯五郎（最高位：前頭9枚目）

特に、常ノ花寛市は後に横綱となり、日本相撲協会の理事長も務めるなど、相撲界に大きな功績を残しました。

1896年に亡くなった人物

11月30日 - 勝山芳藏（最高位：前頭5枚目）

1896年の作品

講談『寛政力士伝』早川貞水（一龍斎貞水）

まとめ

1896年は、相撲界にとって大きな変動の年でした。年初の騒動から協会の規約改正、そして多くの力士の誕生など、相撲史を語る上で重要な一年と言えるでしょう。

もう一度検索