1903年のメジャーリーグベースボール

1903年のメジャーリーグベースボールの動向

1903年はメジャーリーグベースボール（MLB）にとって非常に重要な年であり、ナショナルリーグとアメリカンリーグの協定、そして初のワールドシリーズが開催された年です。本稿ではこの年の主要な出来事について詳しく解説します。

リーグ間の協定締結

1901年のアメリカンリーグのメジャーリーグとしての宣言以降、両リーグ間の対立は激化していました。しかし、1902年の秋にナショナルリーグの会長がハリー・ブリアムに交代すると、状況は少しずつ改善の兆しを見せました。1903年1月9日には、シンシナティで両リーグの代表者会議が行われ、アメリカンリーグはナショナルリーグと対等な立場でメジャーリーグとして正式に認められることとなりました。

この会議では、全国協定が採択され、各リーグの選手契約の尊重や、一般的なルールを共通化することが決定されました。また、同じ都市に本拠を置くチームの合併禁止や、構成チームの変更に関するルールも設けられました。さらに、ナショナル・コミッションと呼ばれる機関も設置され、その初代委員長にはシンシナティ・レッズのオーナーであるオーガスト・ハーマンが選出されました。この協定により、両リーグの間には一時的な平和がもたらされました。

ワールドシリーズの開催

この年の初めに締結された協定にはポストシーズンゲームの創設は含まれていませんでしたが、8月になりナショナルリーグのピッツバーグ・パイレーツのオーナー、バーニー・ドライファスがアメリカンリーグのボストン・アメリカンズのオーナー、ヘンリー・キリリアにワールドシリーズの開催を提案しました。ナショナルリーグのペナントレーストップチームの提案は、ピッツバーグからのものであり、過去の経験がこの画期的なアイデアへと繋がっていました。

9月16日、両チームはチケット価格や収入の分配について合意し、10月1日にボストンでシリーズが開始されることが決定しました。シリーズ初戦はボストンのハンチントンアベニュー・ベースボールグラウンズで、約1万6000人の観客が集まる盛大なものでした。入場料は1ドル50セントであり、場内は立ち見客で賑わい、外野フェンスの前にも観客がロープを超えて入場。試合はサイ・ヤングが投げる第一球から始まり、最後のホーナス・ワグナーの三振まで続きました。

サイ・ヤングとホーナス・ワグナーの活躍

シリーズでは、サイ・ヤングが第一戦に投げるなど、その存在感が際立ちました。ヤングはこの年28勝を挙げ、36歳でなおも過酷な試合に挑む姿勢を見せました。一方で、ピッツバーグ・パイレーツのホーナス・ワグナーはこのシリーズで27打数6安打と不調に終わりましたが、その存在は大きな意味を持っていました。

結果と影響

ワールドシリーズはボストン・アメリカンズが5勝3敗でピッツバーグ・パイレーツを下し、初代王者となりました。このシリーズでは観客数が10万人を超え、約10万ドルの収入を上げ、選手たちには1000ドル以上の分配金が手渡される成功を収めました。しかし、この分配金に対する不満はその後のシリーズにも影響を与えることになります。

規則の改定

また、アメリカンリーグではこの年からファウルを2ストライクまでカウントする新たなルールを採用し、ナショナルリーグでもその制度が広がりました。このように、1903年は野球界においてもさまざまな革新が見られる年でした。結論として、1903年は野球の歴史にとって重要なターニングポイントであり、この年に確立された基盤がその後の分野に多大な影響を与えることとなります。

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