1921年オーストラレーシアン選手権

1921年 オーストラレーシアン選手権：黎明期の全豪オープンの姿

1921年のオーストラレーシアン選手権は、オーストラリアのパースにあるロイヤル・キングス・パーク・テニスクラブで開催されました。この大会は、全豪オープンの前身であり、当時は「オーストラレーシアン選手権」という名称でした。1927年以降に「オーストラリア選手権」と改称されています。

パースでの最後の開催と大会の特色

パースで全豪選手権が開催されたのは、この1921年大会が最後となりました。過去には1909年と1913年にもパースで開催されており、今回が3度目の開催でした。しかし、女子競技が導入された1922年以降は、パースでの開催は行われていません。

また、この年までは男子シングルスと男子ダブルスの2部門のみが実施されていました。翌1922年から女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスの3部門が追加され、大会はより多様な競技構成へと発展しました。

初期の全豪選手権の特徴として、外国人選手の出場が少ない時期には、地元オーストラリア人選手の国旗表示が省略されていました。これは、当時の国際的なテニス競技の状況を反映したものでしょう。

男子シングルスの熱戦

男子シングルスでは、リス・ゲメルが圧倒的な強さを見せました。

準々決勝
リス・ゲメル vs. トム・バーカー：6-0, 6-3, 6-0
ロイ・トレロアー vs. ヘンビル：6-3, 6-2, 6-2
マクドゥーガル vs. W・ヘイマン：2-6, 12-10, 6-2, 6-0
アルフ・ヘデマン vs. ノーマン・ブリアリー：6-2, 6-1, 6-3

準決勝
リス・ゲメル vs. ロイ・トレロアー：6-2, 6-1, 6-3
アルフ・ヘデマン vs. マクドゥーガル：6-4, 3-6, 6-1, 6-2

決勝戦
リス・ゲメル vs. アルフ・ヘデマン：7-5, 6-1, 6-4

決勝では、ゲメルがアルフ・ヘデマンをストレートで下し、見事優勝を飾りました。

男子ダブルスの結果

男子ダブルスでは、リス・ゲメルとスタンレー・イートンのペアが、ノーマン・ブリアリーとE・ストークスのペアを7-5, 6-3, 6-3で破り、優勝しました。リス・ゲメルはシングルスに続き、ダブルスでも栄冠を手にしました。

参考文献

この大会に関するより詳細な情報は、以下の文献で確認できます。

“Our Open - 100 years of Australia's Grand Slam” News Custom Publishing, Victoria, Australia (2004) ISBN 1-876176-60-1
* Bruce Matthews, “Game, Set and Glory: A History of the Australian Tennis Championships” The Five Mile Press, Victoria, Australia (1985) ISBN 0-86788-078-3

また、大会の抽選表は、Grand Slam Tennis Archiveで提供されています。

Grand Slam Tennis Archive

1921年のオーストラレーシアン選手権は、全豪オープンの歴史を語る上で欠かせない大会です。黎明期のテニス界の様子を知ることができる貴重な資料と言えるでしょう。

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