1936年ガルミッシュ・パルテンキルヘンオリンピックのスキージャンプ競技

1936年、ドイツのガルミッシュ・パルテンキルヘンで開催された冬季オリンピック。そのスキージャンプ競技は、1936年2月16日、午前11時より、オリンピックシャンツェ（K点80m）にて開催されました。

当日は気温0℃から3℃と穏やかで、無風の絶好のコンディションに恵まれました。14カ国から48名の選手が参加し、世界最高峰のジャンプ競技が繰り広げられました。しかし、雪質の影響か、80mに達するジャンプは記録されませんでした。

優勝したのは、ノルウェーのビルゲル・ルート選手です。彼は74.5mと75.0mのジャンプで、合計得点を制しました。彼のジャンプは、ドイツのG.シュミット、ノルウェーのJ.アスプ、スイスのR.ストロウマンの三審判から、最も高度な飛型を見せたとして高く評価されました。

2位にはスウェーデンのスヴェン・エリクソン選手が輝きました。エリクソン選手は、2本とも76.0mという最長不倒のジャンプを記録し、安定した演技で好成績を収めました。彼のジャンプは、その飛距離だけでなく、正確さと安定感でも高く評価されたと言えるでしょう。

日本からは龍田峻次選手が出場しました。龍田選手は2本目のジャンプで77.0mまで伸ばすなど、高い潜在能力を示しましたが、着地で転倒。この転倒が響き、上位入賞とはなりませんでした。彼のジャンプは、技術の高さは際立っていましたが、着地の安定性に課題を残したと言えるでしょう。安達五郎選手も1本目の好ジャンプの後、2本目で転倒。サウリ・パーリ選手と龍田峻次選手は2本とも転倒するなど、着地失敗による転倒が4名も発生するなど、危険が伴う競技であることを改めて認識させられました。イタリアのマリオ・ボノモ選手は1本目で転倒し、2本目は棄権しました。

この大会は、好天にもかかわらず、雪質の影響で予想された飛距離には届かず、選手たちの技術と体力の限界に挑む、手に汗握る展開となりました。また、転倒事故の多発は、この競技におけるリスクの高さを示しており、安全対策の更なる強化が求められる結果となりました。

大会の結果は、ノルウェーのルート選手の優勝、スウェーデンのエリクソン選手の2位と続き、各国の選手が、その技量と精神力を試す舞台となりました。この1936年ガルミッシュ・パルテンキルヘンオリンピックスキージャンプ競技は、冬季オリンピックの歴史に、その名を残す大会となったと言えるでしょう。

もう一度検索