1936年ベルリンオリンピックの野球競技

1936年ベルリンオリンピックにおいて、野球は公開競技として実施されました。場所はベルリンのベルリン・オリンピアシュタディオンで、1936年8月12日に行われました。野球がオリンピックで行われるのは、1912年のストックホルムオリンピック以来、実に24年ぶりのことでした。

試合は、アメリカ代表が「ワールドチャンピオンズ」と「USオリンピックス」の2チームに分かれて対戦する形式で行われました。試合は7イニング制で、ワールドチャンピオンズが6-5でUSオリンピックスを破り、勝利を収めました。この試合には、90,000人もの観客が詰めかけ、大きな盛り上がりを見せました。

しかし、当時のグラウンド環境は現代とは大きく異なっていました。照明は高さ約15mまでしか届かず、外野フェンスやマウンドもありませんでした。さらに、陸上トラックをそのまま利用したため、ライト側のラインの長さは約61mと非常に短いものでした。特筆すべきは、アドルフ・ヒトラーの席がライトのフェアゾーン内に設けられていたことです。

このオリンピックでの野球実施を強く後押ししたのは、レスリー・マンでした。彼はこの試合で審判を務めました。

試合結果

試合は、USオリンピックスが1回にビル・ショーの2ランホームランで先制する形で始まりました。しかし、6回にワールドチャンピオンズが3点を奪い、5-4と逆転に成功します。7回表にUSオリンピックスが同点に追いつきましたが、その裏にワールドチャンピオンズのマクニースがサヨナラホームランを放ち、劇的な勝利を収めました。

ワールドチャンピオンズの先発投手はビル・セールズでしたが、2回に4失点し、カーソン・トンプソンがリリーフとして登板しました。

まとめ

1936年ベルリンオリンピックにおける野球の公開競技は、異例の環境下で行われましたが、多くの観客を魅了しました。この試合は、オリンピックにおける野球の歴史において、重要な出来事として記憶されています。

参考文献
Cava, Pete (Summer 1992). “Baseball in the Olympics”. Citius, Altius, Fortius 1 (1): 7–15.
Official Report.(PDF) The XIth Olympic Games Berlin, 1936 volume 2, p. 1098-1100. 1936.
* [1] 1936 Olympics, Baseballreference.com.

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