1943 ミッドウェイ海戦

『1943 ミッドウェイ海戦』は、1987年にカプコンからリリースされたアーケード用縦スクロールシューティングゲームで、19シリーズの第2弾です。前作『1942』のシステムをベースに、新たな要素を加えてパワーアップしました。プレイヤーはアメリカ軍の戦闘機P-38ライトニングを操作し、太平洋戦争のミッドウェー海戦を舞台に日本海軍と戦います。

ゲームシステム

本作は、8方向レバーと2つのボタンで自機を操作します。攻撃ボタンでショット、もう一つのボタンで「メガクラッシュ」と呼ばれる特殊攻撃を行います。全16ステージ構成で、2人同時プレイも可能です。

エネルギー制

本作の特徴は、残機制ではなくエネルギー制を採用している点です。敵の攻撃を受けたり、メガクラッシュを使用したりするとエネルギーが減少し、エネルギーが0になるとゲームオーバーになります。ただし、時間経過やメガクラッシュの使用でエネルギーが0になっても、即ゲームオーバーにはなりません。エネルギーはステージ開始時やアイテムで回復できます。また、2人同時プレイ時は、エネルギーを分け合うことも可能です。

武器システム

本作には、6種類のショットが登場します。これらのショットは、アイテムを取得することで変更でき、それぞれ使用時間に制限があります。ショットの種類は以下の通りです。

ショットガン: 自機前方に扇状に弾を発射します。
3ウェイ: 自機前方と斜め左右に弾を発射します。
マシンガン: 前方に高速の弾を発射します。
スーパーシェル: 前方に強力なミサイルを発射します。

これらの通常アイテムは、特定の敵を倒すと出現し、ショットを撃ち込むことで種類が変化します。3周するとエネルギータンクになります。

メガクラッシュ

メガクラッシュは、エネルギーを消費して画面全体の敵弾を消滅させ、敵にダメージを与える特殊攻撃です。メガクラッシュには3種類のパターンがあり、使用時の敵弾との距離やステージによって変化します。

その他の特徴的な要素

宙返り: 両ボタン同時押しで一定時間無敵になる宙返りができます。
サイドファイター: 自機の左右に小型戦闘機が付き、ショットが強化されます。
ウェイトレーザー: 敵を貫通する強力なレーザーを発射します（特定のアイテムで出現）。
得点アイテム: イチゴやタケノコなど、様々な得点アイテムが登場します。

ステージ構成

各ステージは、前半の空中戦と後半のボス戦で構成されています。空中戦を終えると、目標発見のメッセージが表示され、海上の敵艦隊との戦闘に突入します。最後に旗艦（ボス）を撃破するとステージクリアとなります。ボス戦では、破壊率70%以上を達成しないとやり直しになります。

ボスキャラクターには、実在した日本海軍の軍艦名が使われています。

ステージ1：利根
ステージ2：加賀
ステージ3：亜也虎I（超大型爆撃機）
ステージ4：扶桑
ステージ5：赤城
ステージ6：大飛龍（大型爆撃機編隊）
ステージ7：伊勢（航空戦艦）
ステージ8：飛龍
ステージ9：亜也虎II（超大型爆撃機）
ステージ10：陸奥
ステージ11：大飛龍（大型爆撃機編隊）
ステージ12：山城
ステージ13：蒼龍
ステージ14：亜也虎III（超大型爆撃機）
ステージ15：長門
ステージ16：大和

移植版

『1943 ミッドウェイ海戦』は、各種ホビーパソコンや家庭用ゲーム機にも移植されました。ファミリーコンピュータ版では、2人協力プレイが削除されたり、自機の性能をカスタマイズできるなどのオリジナル要素が追加されています。また、敵旗艦の名前が『三国志』の武将名に変更されたり、サブタイトルが「THE BATTLE OF VALHALLA」に変更されるなど、ゲーム内容も変更されています。

主な移植版

ファミリーコンピュータ版
PlayStation版、セガサターン版（カプコンジェネレーション第1集に収録）
携帯電話版
PlayStation 2版、PlayStation Portable版（カプコンクラシックスコレクションに収録）

その他

ゲーム中には、特定のコマンドを入力すると特定の武器を装備した状態でスタートできる隠し要素があります。また、敵旗艦を100%破壊すると艦橋が爆発し、その破片を破壊することで高得点を得ることができます。

スタッフ

ゲーム・デザイン：船水紀孝、DECHIKUN、岡本吉起
プロデューサー：KIHAJI.O（岡本吉起）
キャラクター・デザイン：SATO CHIN、MIKI CHAN、KAWAMOYAN、AHO NO SAKATA
音楽：JUNGLE KUMI（山鹿久美）
ハードウェア：PANCHI KUBOZOO、JUMBO SAITO
プログラム：BLBON

評価

ファミリーコンピュータ版は、ゲーム誌で肯定的な評価を得ています。

抗議

本作のゲーム内容に対して、右翼団体から抗議があったことが知られています。旧日本軍の戦艦などをアメリカ軍機で攻撃する内容が問題視され、プロデューサーの岡本吉起も「当時の僕はまだそこに考えが及ばなかった」と述べています。その後、ファミリーコンピュータ版では、敵戦艦の名前が三国志の武将名に変更されました。

外部リンク

カプコンアーケード for iPhone/iPod touch
1943: The Battle of Midway（英語） - MobyGames

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