1944年の野球

1944年日本プロ野球の概要

1944年の日本プロ野球は、特異な状況下でのシーズンとなりました。この年は、6球団制が取り入れられたものの、選手数の激減により、その体制はこの年限りとなりました。徴兵制度の影響で、4月の段階では全6球団合わせてわずか74名の選手しか残っておらず、戦時下における野球の現状を余すところなく示しています。

個人タイトル

当年のベストナインの選出は行われず、選手たちの活躍を表彰する機会も限られていました。

主な出来事

1月

• - 1月12日、日本野球連盟は「日本野球報国会」と改称し、球団間の選手引き抜きを禁じる決定が下され、これが球団間の移籍を報国会会長が統制する形となりました。

4月

• - 4月3日に春季戦が開幕。
• - 名古屋軍は「産業軍」と改名されました。
• - 4月27日、MLBではボストン・ブレーブスのジム・トビンがノーヒットノーランを達成。

5月

• - 5月15日、シンシナティ・レッズのクライド・ショーンがMLBでノーヒットノーランを達成しました。
• - 5月16日には東京巨人軍の中島治康が、日本プロ野球初の1試合2度のライトゴロを記録します。

6月

• - 6月1日、南海軍の親会社が関西急行鉄道と合併し、「近畿日本軍」と改名されました。
• - 6月8日、MLBではシンシナティ・レッズのジョー・ナックスホールが15歳10カ月で最年少出場を果たしました。

7月

• - 7月1日、藤野義登がプロ初号の先頭打者ホームランを放つ歴史的瞬間がありました。
• - さらに、阪神軍の若林忠志が連続登板の日本記録を達成します。

8月

• - 8月10日、MLB最少の58球で完封勝利を収めたレッド・バレッドが登場。
• - 8月14日、阪神軍が優勝を決定づける試合に勝利しました。

9月

• - 9月9日、後楽園球場がアメリカ軍の空襲に備えて接収され、9月17日から20日には、日本野球総進軍優勝大会が開催されることになりました。
• - これが後楽園における戦前最後の試合となります。

10月

• - 10月1日、MLBではセントルイス・ブラウンズがア・リーグ優勝を達成し、10月9日にはワールドシリーズでセントルイス・カージナルスが勝利します。
• - 10月10日、巨人の吉原正喜がビルマ戦線で戦死します。
• - 10月23日に、日本野球報国会の6球団首脳が休止を決定します。

11月

• - 11月13日、日本プロ野球の休止が公式に発表されました。

12月

• - 12月2日、巨人の沢村栄治が戦死する悲劇が起こります。

誕生と死去

この年、多くの選手が新たに誕生しました。また、野球界で活躍した選手たちがこの年に亡くなったことも記録されています。日本プロ野球の歴史において、特に戦争の影響を強く受けた一年となったことは、長い目で見ても忘れられない事実です。

野球における競技環境が変化する中で、選手や関係者が試行錯誤を重ねながら進めていったことは、今後の日本プロ野球の基盤を築く重要な年であったと言えるでしょう。

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