1945年ハリー・S・トルーマン大統領就任式

1945年ハリー・S・トルーマン大統領就任式

1945年4月12日、アメリカ合衆国第33代大統領のハリー・S・トルーマンが正式に就任しました。この歴史的な儀式は、ワシントンD.C.のホワイトハウス内にある閣議室で行われました。この就任式は、前任のフランクリン・D・ルーズベルトが急死したことを受けて実施されたもので、トルーマンは副大統領から大統領に昇格しました。

トルーマンが会議のために上院を閉じている最中、彼はサム・レイバーン下院議長と酒を飲んでいるところに呼び出され、ホワイトハウスに急行したのです。そこで彼を出迎えたのは、ルーズベルト大統領の妻、エレノア・ルーズベルトでした。エレノアはトルーマンに自分の夫の急死を伝えるとともに、トルーマンが直面する新たな責任の重さを印象づけました。トルーマンが「何かお役に立てることはございませんか？」と尋ねると、エレノアは「私たちがあなたのために出来ることはありますか？」との返事を返したといいます。このやり取りからも、トルーマンにとってこの瞬間がどれほど大変なものであったかが伺えます。

就任式の主宰者は最高裁判所長官のハーラン・F・ストーンで、トルーマンの宣誓も彼によって行われました。しかし、ストーンはトルーマンのミドルネームが彼の母の旧姓である「シップ」であるという誤情報に基づいて宣誓を開始しました。これに対し、トルーマンは即座に自分の名前を正しい「ハリー・S・トルーマン」として訂正し、宣誓を続けました。このような瞬間は、就任式の意義を一層深める出来事となりました。

トルーマンの家族や、ルーズベルト夫人をはじめとする閣僚たち、レイバーン下院議長も立ち会い、歴史に名を刻む式典を見守りました。驚くべきことに、この日は1945年におけるルーズベルトの4回目の就任式に続いて2度目の就任式でもありました。

この1945年の就任式が特に記憶に残る理由は、過去の臨時就任式と異なる点がいくつかあるからです。例えば、1901年に行われたセオドア・ルーズベルトの就任式では、記者たちが排除されました。また、カルビン・クーリッジの1923年の就任式は、深夜に部屋が暗い中行われたため、記録が残りにくい状況でした。今回のトルーマンの就任式は、史上初めて写真に収められた臨時の就任式としても特別な意義がありました。

このように、トルーマンの大統領就任は、単なる政治の転換だけでなく、アメリカ合衆国の歴史に新たな章を刻む意味を持つ出来事でした。彼の政権は1945年から始まり、様々な国際的・国内的な問題に直面することとなりますが、その最初の一歩が踏み出されたのがこの就任式でした。トルーマン政権の行く先に、何が待ち受けているのか、国民にとっても重要な関心が寄せられたのです。

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