1948年サンモリッツオリンピック

1948年サンモリッツオリンピック

1948年1月30日から2月8日まで、スイスのサンモリッツで開催された冬季オリンピック、通称「サンモリッツ1948」は、1936年のガルミッシュ・パルテンキルヘン大会以来、12年ぶりの冬季オリンピックとなりました。これは、第二次世界大戦の影響で1940年と1944年の大会が中止された後の初めての国際大会です。

開催地の選定

1946年のIOC総会で開催地が決定されましたが、開催までの時間が短かったため、既存の施設を活用できる地点が選ばれました。その結果、サンモリッツとレークプラシッドが候補に挙げられ、スイスの中立性や地政学的状況を考慮してサンモリッツに決まりました。この大会は、1928年以来20年ぶりのサンモリッツでの開催となり、冬季オリンピック史上初めて同じ都市での2回目の夏期・冬季オリンピックの開催でもありました。

競技と参加者

約670人の選手が4種目22競技に参加し、競技ルールや種目編成も多様でした。特に「ミリタリー・パトロール」や「冬季五種競技」が公開競技として行われました。後者はその後、バイアスロンに変わりますが、冬季五種競技はこの大会のみでの開催に終わりました。

特筆すべきは、第二次世界大戦の敗戦国である日本とドイツの参加が認められなかったことです。しかし、オーストリアはドイツによる併合後、連合軍に占領されていたにもかかわらず「ドイツに侵略されていた国」として扱われ、参加が認められました。イタリアは政権が交代しており連合国に降伏していたため、参加が許可されたのです。また、ナチス・ドイツ降伏前に休戦に至ったフィンランドも参加が認められました。

一方、ソ連は正式参加しませんでしたが、選手らに対する研究目的で代表団を派遣しました。アメリカからは2つのアイスホッケーチームが派遣され、大きな論争を引き起こす要因となりました。多くの国では資源不足から装具を十分に持っておらず、ノルウェーチームはアメリカから用具を借りる事態も見られました。

主なメダリスト

この大会では、アルペンスキーが多くのメダルを生んでおり、特にフランスのアンリ・オレーエ選手が男子滑降と複合で金メダルを獲得しました。また、アメリカのグレッチェン・フレーザー選手は女子回転で金メダルを獲得し、オーストリアのトルーデ・バイザー・ヨークム選手は女子複合で金メダルを獲得しました。

フィギュアスケートでもアメリカのディック・バトン選手が男子シングルで金メダル、カナダがアイスホッケー男子で金メダルを獲得するなど、各国選手が活躍しました。

結論

1948年サンモリッツオリンピックは、その開催までの歴史的背景、政治的状況、そして参加国の多様性が織り成す特異な大会でした。多くの選手が活躍し、冬季オリンピックとしての重要性と魅力を強く印象付けたイベントであったといえます。

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