1948年ミード湖B-29墜落事故

1948年ミード湖B-29墜落事故

1948年7月21日、アメリカ空軍のボーイングF-13偵察機（B-29爆撃機の写真偵察機仕様）が、ネバダ州のミード湖に墜落しました。この事故は、当時機密扱いとされていた超高層大気研究プロジェクトに関わるものでした。

事故の経緯

墜落した機体、45-21847号機は、元々B-29爆撃機として1945年9月に就役しました。1947年に写真偵察機仕様のF-13に改装され、太陽から方向や位置を判断する大陸間弾道ミサイル誘導装置「サン・トラッカー」の開発プロジェクトに投入されました。B-29が試験機に選ばれた理由は、与圧室を備えた最初の量産機であり、第二次世界大戦終結後に余剰機が多数存在していたためです。

1948年7月21日、45-21847号機は高度9,100メートルまで上昇した後、機長のロバート・M・マディソン大尉の操縦で降下を開始しました。湖面から約91メートルの高度で水平飛行に移る予定でしたが、乗組員によると、当時のミード湖の湖面は鏡のように日光を反射しており、高度の判断が非常に難しかったとされています。機体は緩やかに降下を続け、高度約30メートル以下まで下降し、最終的に時速400キロで着水しました。着水後、機体は湖面上を跳ねながら進み、4つのエンジンのうち3つが脱落、残りの1つは炎上しました。その後、機体は再び高度76メートルまで上昇しましたが、再び着水し、緩やかに停止しました。

乗組員5名は救命筏で脱出し、救助されるまで、沈んでいく機体を見守っていました。彼らは事故から6時間後に救助されましたが、任務や事故の詳細について一切語らないように指示されました。プロジェクト自体が機密であったため、事故の真相が公表されたのは50年後のことでした。

2001年、民間のダイビングチームがサイドスキャンソナーを用いて45-21847号機の捜索を行い、ミード湖北部で残骸を発見しました。墜落地点は国立保養地内だったため、国立公園局の管理下に置かれました。

B-29爆撃機 45-21847号機

墜落したB-29は、現在、国家歴史登録財に登録されています。2007年には、国立公園局が試験的にダイビングスポットとして開放しましたが、2008年には保全活動のため再び閉鎖されました。

フィクションでの登場

2010年のビデオゲーム『Fallout: New Vegas』には、ミード湖に沈むB-29爆撃機をめぐるクエストが登場します。このクエストでは、プレイヤーはネリス空軍基地の廃墟に住むブーマーという人々の依頼を受け、湖に沈んだB-29爆撃機を回収することになります。その後、ブーマーたちはこの機体を修理し、飛行可能な状態にします。

脚注

機体の詳細や事故に関する情報は、国立公園局の資料や、ダイビングチームによる調査報告書などで確認できます。

外部リンク

Lake Mead B-29 Micro-ROV Inspection After Action Review (PDF) by Bob Christ of SeaTrepid

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