ネリス空軍基地

ネリス空軍基地について

ネリス空軍基地（Nellis Air Force Base）は、アメリカ合衆国のネバダ州、ラスベガスの北東約11キロメートルに位置する重要な米空軍基地です。基地の面積は約46平方キロメートルあり、その62%は未整備の土地です。2000年時点では約8,896人の人員が基地内に所属していました。この基地は、アメリカ空軍の曲芸飛行隊である「サンダーバーズ」の本拠地として知られています。

基地の設立と歴史

ネリス空軍基地の歴史は、1940年10月に始まります。その建設計画は、アメリカ陸軍航空部隊のデヴィッド・M・シュラッターによって主導されました。彼は、高度な射爆撃演習を行うための場所を探し、ラスベガス周辺の良好な気候に注目し、この地に基地の設立を決定しました。周辺地域では、基地の建設により都市の発展が期待され、多くの声が寄せられた結果、計画は具体化しました。

1941年3月から「ラスベガス陸軍飛行場」としての工事が始まり、年末にはさまざまな演習が行われるようになりました。第二次世界大戦中には数多くの軍用機がこの基地での演習に参加し、特にB-17爆撃機の使用が盛んでした。また、珍しい有人標的機であるRP-63も射撃の標的として活躍しました。1943年から1944年にかけては、演習のピークを迎え、当時基地には約15,000人が駐屯していました。

戦後、1945年9月に飛行場は運営を一時中止しましたが、1948年3月にアメリカ空軍の再編成に伴い再開されます。1950年には「ネリス空軍基地」という名称に変更され、朝鮮戦争の影響で新型機の試験や訓練が行われるようになりました。

1956年にはサンダーバーズが基地に移転し、その後も機種転換を重ねていきました。特に1969年から1974年にかけては、F-100やF-4E、T-38などの機種が使用されました。1980年代からは模擬空戦演習「レッドフラッグ」が始まり、現在も続けられています。これは米軍における空戦訓練の重要なイベントで、世界各国から多くの部隊が参加しています。

近年の活動

1990年代には、YF-22戦闘機の試験基地に選定され、新型機の試験プログラムが実施されました。また、2006年には旧ソビエト連邦製のMiG戦闘機が研究目的で使用されていたことが公表され、これによりさらに基地の重要性が増しました。2007年には約570平方メートルの敷地に70,000個のソーラーパネルを設置する計画が立案され、基地の電力消費の約25%を補うことを目指しました。

航空祭とその影響

ネリス空軍基地では、1997年にブルーインパルスが参加した航空祭も行われ、多くの観客を魅了しました。これらのイベントを通じて、基地の存在は地域における文化や経済にも影響を与えています。

ネリス空軍基地は、戦略的な役割を果たすと共に、多くの歴史的な訓練やイベントの場となっています。現在も活発に運用され続けるこの基地は、米空軍の発展に寄与し続けています。

もう一度検索