1948年ロンドンオリンピックの韓国選手団

1948年ロンドンオリンピックは、1948年7月29日から8月14日にかけてイギリスの首都ロンドンで開催されました。この大会は、韓国オリンピック委員会が「韓国代表」として選手団を初めて派遣した夏季オリンピックとして、韓国のスポーツ史において特別な意味を持っています（冬季オリンピックを含めると、同年のサンモリッツオリンピックが最初）。

当時の朝鮮半島は、まだ連合軍による軍政下に置かれていました。大韓民国の政府樹立宣言、つまり正式な建国は1948年8月15日に行われました。そのため、ロンドンオリンピックでは「Korea（大韓民国）」の国名と太極旗が使用されましたが、政治的には複雑な状況下での参加となりました。

韓国オリンピック委員会は、米国占領下の南部朝鮮で活動する組織であり、ソ連占領下の北部朝鮮からの代表は派遣されていませんでした。1948年5月10日には南部地域のみで総選挙が行われ、制憲議会が召集されました。同年7月17日には最初の大韓民国憲法（制憲憲法）が制定され、7月20日には国会議員による投票で李承晩が大統領に選出されるなど、南部朝鮮の独立に向けた動きが活発化する中で開催された大会でした。

選手団は、この大会で銅メダル2個、合計2個のメダルを獲得しました。これは、韓国にとってオリンピックにおける最初のメダル獲得であり、その意義は非常に大きいものでした。

特に、ウエイトリフティング男子ミドル級で金晟集（キム・ソンジプ）選手が銅メダルを獲得したことは、韓国にオリンピック初のメダルをもたらした歴史的な瞬間として記録されています。このメダルは、苦難の時代を乗り越え、独立を目指す韓国国民にとって大きな希望と喜びを与えました。

この大会への参加とメダル獲得は、韓国のスポーツ界だけでなく、国家としてのアイデンティティを確立する上でも重要な出来事となりました。ロンドンオリンピックは、韓国が国際社会にその存在を強くアピールする舞台となり、その後の韓国スポーツの発展と国際的な活躍への礎を築いたと言えるでしょう。

参考情報：
国際オリンピック委員会: London 1948 Summer Olympics - results & video highlights
1948年ロンドンオリンピックの韓国選手団 - Sports-Reference.com (Olympics) のアーカイブ (英語)
* 1948年ロンドンオリンピックの韓国選手団 - Olympedia（英語）

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