1949年度の将棋界

1949年度将棋界：激動の時代と新たな一歩

1949年度(昭和24年度)の将棋界は、数々の出来事が発生し、現代将棋の基礎を築いた重要な転換期となりました。名人戦、タイトル戦の変遷、棋士間のエピソード、そして将棋界のインフラ整備まで、多角的に見ていきましょう。

名人戦の激闘：木村義雄の返り咲き

まず注目すべきは、第8期名人戦です。前名人・木村義雄と名人・塚田正夫による五番勝負は、激しい攻防を繰り広げました。4月と5月に行われた5局の対局では、両名互いに一歩も譲らず、最終的に木村が3勝2敗で勝利。3期ぶりに名人位に返り咲きました。これは木村にとって通算6期目の名人位獲得となりました。

升田幸三と木村義雄の「ゴミハエ問答」

6月には、第2回全日本選手権戦で興味深いエピソードが生まれました。前夜の食事会で、升田幸三八段と木村義雄名人(当時)が口論となり、「ゴミハエ問答」と呼ばれる有名な論争に発展しました。その翌日の対局では、升田が勝利を収めています。この出来事は、当時の将棋界の緊迫感と、棋士たちの強い個性を感じさせる出来事でした。

将棋会館の建設と新聞社との契約

将棋界のインフラ整備も進展しました。7月には東京都中野区に将棋会館が建設され、将棋界の発展に大きく貢献しました。また、8月には毎日新聞との第9期名人戦の契約が解消され、新たに朝日新聞と契約が締結されました。この契約締結と同時に、5期以上名人を保持した棋士に「永世名人」の称号を贈る制度が決定しました。これは将棋界の歴史に大きな影響を与えた出来事と言えるでしょう。さらに同年8月には、全日本選手権戦がタイトル戦に昇格し、九段戦として発足しました。

第9期名人戦：大山康晴の挑戦

1950年に入ると、第9期名人戦の挑戦者決定戦が始まりました。1月に行われた挑戦者決定戦では、升田幸三八段が勝ち上がり、2月には大山康晴八段との挑戦者決定戦決勝三番勝負が行われ、大山が2-0で勝利。木村名人への挑戦権を獲得しました。3月には名人戦七番勝負が始まり、第1局で木村名人が先勝しました。

その他の出来事

この他にも、1949年6月から1950年3月にかけて第4期順位戦が行われています。また、10月には第2回全日本選手権戦で萩原淳八段が優勝しました。

1949年度将棋界の意義

1949年度の将棋界は、名人戦における激闘、棋士間のエピソード、将棋会館の建設、新聞社との契約変更、タイトル戦の昇格など、多くの出来事が発生した重要な一年でした。「永世名人」制度の創設も、将棋界の歴史に大きな影響を与えた出来事です。これらの出来事は、現代の将棋界の基礎を築く上で重要な役割を果たしました。 この時代の出来事は、後の将棋界の発展に大きく影響を与え、現代の将棋界を理解する上で欠かせない要素となっています。様々な文献を参考に、この時代の詳細を深く掘り下げていくことで、より豊かな理解が得られるでしょう。

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