1950年の中日ドラゴンズ

1950年の中日ドラゴンズ

1950年は中日ドラゴンズにとって特別な年であり、2リーグ制の初年度にあたる。天知俊一監督の指導の下、チームは新たな挑戦を迎えた。この年、チームの運営が強化され、名古屋野球株式会社が誕生したことから始まる。

球団の運営と新たなスタート

中日ドラゴンズは1948年に開場された中日スタヂアムと中部日本野球倶楽部の合併により新しいスタートを切った。その結果、名古屋新聞社顧問の大島一郎が5年ぶりにオーナーとして復帰し、チームの発展に寄与することとなった。このような背景のもと、1950年のシーズンは非常に注目されることになった。

シーズンの成績

中日ドラゴンズはシーズン初めの3月から4月にかけて、なんと13連勝を達成した。この記録は球団史上最長の連勝記録であり、シーズンを通して合計89勝という快挙を達成した。しかし、6月には3勝10敗と大きく成績を落としてしまい、最終的にセ・リーグで2位に終わることとなった。1位の松竹ロビンスには及ばなかったものの、安定した成績を収めたことは評価できる。

投手陣では、杉下茂と服部受弘が共に20勝以上を挙げ、宮下信明が14勝、近藤貞雄が10勝を記録するなど、4人の投手が2桁勝利を果たした。ただし、他の投手陣が不調のため、チーム防御率は3.73でリーグ3位という数字に留まった。打撃陣においては、坪内道典や西沢道夫、杉山悟の活躍が光り、チーム本塁打144本でリーグ2位に。結果として打率も.274の2位を記録するなど、打線の強さがチームを支えた。

また、対戦成績に目を向けると、西日本チームには14勝3敗1分、7位の国鉄に対しては17勝2敗1分という素晴らしい成績を残し、特に優位に立っていた。

変化の時

この年のシーズンを経て、中日新聞社と名古屋鉄道の共同経営に移行し、大島一郎氏はオーナー職を名鉄の千田憲三に譲ることとなる。そして、これに伴い球団名が「名古屋ドラゴンズ」へと変更されることが決まり、1950年のシーズンをもって「中日ドラゴンズ」という名称は一時的に姿を消すことになった。

球団歌の制定

また、この年には名古屋軍時代から新たに制作された球団歌「ドラゴンズの歌」が制定されました。これは中日新聞が開催した懸賞公募によって誕生したもので、作曲は古関裕而氏が手掛け、伊藤久男氏が歌唱するなど充実した内容が特徴です。日本コロムビアはこの曲のSP盤を製造し、新しい時代の幕開けを象徴しました。

まとめ

1950年は中日ドラゴンズにとって重要な年であり、様々な出来事がチームの成長に寄与しました。安定した成績を収めつつ、球団歌の制定や経営の変化などもあり、今後の発展を見据えた重要なシーズンであったと言えるでしょう。

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