1950年の読売ジャイアンツ

1950年の読売ジャイアンツ

1950年は、読売ジャイアンツにとって特筆すべき年であり、その背景には様々な出来事がありました。この年、チームは2リーグ制が導入された新たな野球界での戦いを迎え、水原茂が監督として初めてチームを指揮しました。

背景と経緯

前年、シベリア抑留から帰国した水原を三原脩監督が起用しなかったことが、チーム内に不和を生じさせました。この問題は「三原監督排斥騒動」として知られる事件に発展し、チームがまとまる必要に迫られました。結果として、水原は監督に任命され、三原は総監督という名目のもとに控えに追いやられることとなりました。

シーズンの展開

シーズン序盤、巨人は前年の優勝チームとして存在感を発揮し、川上哲治や藤本英雄といった実力派選手を擁して松竹や中日と首位争いを繰り広げました。しかし、5月に入ると連敗が続き、上位チームとの差が広がっていきました。最終的にはシーズンを3位で終え、初年度の水原監督は苦い経験を持ち帰ることとなりました。

1950年は「打高投低」の年とされ、両リーグを通じて1500本以上の本塁打が記録されました。特にセ・リーグにおいては、8球団中6球団が100本以上を打つという異常な事態が発生しました。巨人もこの波に乗り、126本塁打をマークし、さらに212盗塁を上げてリーグ2位となるなど攻撃力を発揮しました。また、藤本や別所毅彦らの投手陣も奮闘し、チーム防御率は2.90を記録し、セ・リーグ1位となりました。

特筆すべき出来事

特に注目すべきは、6月28日に行われた対西日本戦において、藤本英雄がNPB史上初の完全試合を達成したことです。青森市営球場で行われたこの試合では、藤本は無安打無得点試合を達成し、自身にとっては2度目の完全試合でした。この偉業は2リーグ制以降で初の快挙となりました。試合のスコアは4対0と、藤本の圧巻のピッチングが光りました。

チームの入団・退団

シーズンの始まる前の動きも注目されました。前シーズンからの選手の入退団があり、新たな顔ぶれも加わりました。これにより、チームの戦力がどう変化するかも話題となりました。

表彰選手

この年の読売ジャイアンツからは、いくつかの選手が特に優れた成績を残し、表彰されました。ベストナインには千葉茂（2塁手）と青田昇（外野手）が選ばれ、千葉は4年連続、青田は2年ぶりの受賞となりました。このように、個々の選手たちの活躍もチーム全体の成績に寄与しました。

1950年の読売ジャイアンツは、多くのドラマと挑戦の中で、こうした成果をあげたシーズンとなりました。新たな監督の下、チームがどう成長していくのかが、今後の期待される展望となります。

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