水原茂

水原 茂 (みずはら しげる) の生涯

水原茂は1909年1月19日に香川県高松市で生まれ、生涯を通じて日本のプロ野球界に大きな影響を与えた選手兼監督として知られています。1955年から1959年の間は「水原円裕」としても知られ、プロ野球界の一時代を築き上げました。

幼少期と野球の始まり

水原は幼い頃に両親の離婚を経験し、母親の再婚後は新しい姓を名乗ることになります。彼が野球を始めたきっかけは、家庭環境からの気晴らしを求めることでした。香川・高松商業高校時代には、投手と三塁手として名を馳せ、甲子園で2回の全国優勝を達成しました。

現役時代

慶應義塾大学に進学し、そこでも六大学野球で注目を浴びましたが、野球部の除名処分を受けるなど波乱の学生時代を過ごします。1936年に東京巨人軍（現読売ジャイアンツ）に入団し、以降は三塁手としての活躍が続きました。1937年にはチームの打率や打点で上位に輝き、1940年にはベストナインにも選ばれました。

監督としてのキャリア

1949年に監督に就任すると、11年間の在任期間中に8度のリーグ優勝と4度の日本一に輝き、特に1956年から1958年にかけての西鉄ライオンズとの日本シリーズでの対戦は「巌流島の対決」と呼ばれ話題となりました。聡明な指導力で選手たちをまとめ上げた水原は、巨人の第二期黄金時代を築く重要な存在となりました。

彼の監督業の中で、選手の育成にも力を注ぎました。名選手たちと共にリーグ連覇を果たし、その年の日本シリーズでは逆境に立たされても若手選手を活用してチームを勝利に導く場面も見られました。

東映と中日での監督業

1960年には東映フライヤーズの監督に就任し、1年で球団をAクラスに押し上げる成果を上げました。その後、また中日ドラゴンズで監督を務め、選手たちの成長を助ける一方で、彼の戦術とリーダーシップが新たな選手に影響を与えました。

晩年と死去

監督退任後も、解説者としてプロ野球界に貢献し続けましたが、1982年に肝不全により亡くなりました。彼の影響力と功績は今も忘れられず、多くの選手やファンから愛され続けています。

選手としての特技

水原は特に三塁手としての守備力が卓越しており、素手で掴むプレーや送球の正確さが際立っていました。打撃では、強い手首を生かし、力強いスイングで打ち込むスタイルが特徴でした。また、アメリカのメジャーリーグで学んだ戦術や技術を日本に持ち込むなど、革新的な考え方も持ち合わせていました。

まとめ

水原茂は日本プロ野球界の発展に寄与した偉大な選手であり監督でした。彼の戦術に裏打ちされた指導力と選手への愛情は、今でも多くの人々に語り継がれ、後進の育成に大きな影響を与えています。

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