1952年の名古屋ドラゴンズ

1952年 名古屋ドラゴンズの振り返り

1952年、名古屋ドラゴンズは坪内道典監督のもとで新たなシーズンを迎えました。この年は、前年から導入された中日新聞社と名古屋鉄道が隔年で球団運営を交代する体制の中で、中日側の当番となり、前副社長の小山龍三がオーナーに就任しました。これにより、チームは新たなスタートを切ることとなりました。

監督の坪内は、前任の天知俊一からバトンを受け、この年の開幕からチームは好調な滑り出しを見せました。特に巨人と阪神とを相手に強い競争を繰り広げ、シーズン当初から2位争いを繰り広げました。投手陣ではエースの杉下茂が目覚ましい活躍を見せ、32勝を挙げるなどチームに大きく貢献しました。また、松竹から移籍してきた大島信雄も12勝を挙げ、投手陣は安定したパフォーマンスを維持しました。チーム全体の防御率は2.82でリーグ3位という結果を残しました。

打撃陣においても多彩な選手が活躍を見せ、西沢道夫が打点王のタイトルを、杉山悟が本塁打王のタイトルを獲得するなど、目覚ましい成績を収めました。チームとしては77本の本塁打を記録し、巨人と同じくリーグ1位という結果に至りました。このように、投打のバランスが取れたチーム構成が、名古屋ドラゴンズの強さを引き立てる要因となったのです。

結果的には、名古屋ドラゴンズはシーズンを阪神との2位争いに敗れ、最終的には巨人に7ゲーム差をつけられて3位で終了しましたが、4位の大洋からは大きく引き離しての完走となりました。対戦成績を振り返ると、巨人には9勝11敗、阪神には9勝10敗1分の成績で、他チームに対しては健闘したことが伺えます。

この年には、1951年8月に発生した火災によって焼失した中日球場の再建工事が完了し、開幕から新しい球場でのプレーが始まりました。新しい球場で迎える新シーズンということで、選手たちの意気込みも一層高まっていたことでしょう。

全体的に1952年の名古屋ドラゴンズは、監督の新しい指導のもとで着実に成長を遂げた年でした。チームとしても個々の選手も、今後のさらなる飛躍への基盤を築いたシーズンと言えるでしょう。これからのシーズンに向けての期待が高まる中、選手たちはこの経験を糧にして次の戦いへ挑む準備を進めていたことでしょう。

もう一度検索