1952年アメリカ合衆国大統領選挙

1952年アメリカ合衆国大統領選挙についての詳細

1952年11月6日、アメリカ合衆国において第42回大統領選挙が実施されました。この選挙は、冷戦の緊張が高まる中で行われ、特に朝鮮戦争や共産主義に対する不安が影響を与えました。アメリカ合衆国上院のジョセフ・マッカーシー議員が率いる反共産主義運動が盛んであり、国全体が神経質な状況にありました。現職のハリー・S・トルーマン大統領は、人気の低下を理由に再選を断念し、民主党はアドレー・スティーブンソンを候補として立てることになりました。

対する共和党は、戦争の英雄であるドワイト・D・アイゼンハワーが候補として選ばれました。アイゼンハワーは、民主党の20年間にわたるホワイトハウス支配を終わらせることに成功し、地滑り的な勝利を収めました。

候補者の指名

共和党の動き

共和党では、アイゼンハワー将軍が中道派候補者として他の候補者と競い合い、特に保守派のロバート・タフト上院議員との間で激しい対立がありました。タフトは保守的な立場をとり、ニューディール政策の廃止を望んでいましたが、共和党の多くはアイゼンハワーの人気を頼りにしていました。予備選挙でのアイゼンハワーの勝利は、党大会における指名投票に向けて有利に働きました。

党大会の展開

シカゴで開かれた共和党全国大会では、候補者の指名に関して激しいドラマが展開されました。アイゼンハワーは、タフトの支持者たと不正な代議員選出について論争となり、最終的には658票対548票でアイゼンハワーが指名されました。その後、彼はリチャード・ニクソンを副大統領候補に選び、党内の結束を図ったとされています。

民主党の動き

トルーマンが再選を断念した後、民主党の候補者選びには困難が伴いました。エステス・キーフォーヴァー上院議員が支持を集めましたが、党内の派閥争いやボスたちの抵抗に直面しました。最終的に、アドレー・スティーブンソンが指名を獲得し、副大統領候補にジョン・スパークマンが選ばれました。スティーブンソンの演説スタイルは知識人に好まれましたが、一般の人々には受け入れられにくい面もありました。

選挙運動と結果

アイゼンハワーの選挙運動は、朝鮮戦争や共産主義への懸念を強調し、支持を広げることに成功しました。特に「I Like Ike」というスローガンは、多くの人々に親しまれ、人気を集めました。一方、スティーブンソンも魅力的な演説を行いましたが、選挙運動が進むにつれてアイゼンハワーの人気が圧倒的となりました。

特に、副大統領候補ニクソンの「チェッカーズ・スピーチ」が注目を集め、ニクソンへの支持が強化されました。最終的に、1952年11月4日の投票日にはアイゼンハワーが一般投票の55％を獲得し、48州中39州で勝利を収めました。この結果は、民主党の長期政権に終止符を打つ重要な節目となったのです。

このように、1952年の大統領選挙は、冷戦の影響を色濃く反映した選挙となり、アメリカ政治の歴史において重要な転換点を形成したと言えるでしょう。

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