1955年の近鉄パールス

1955年の近鉄パールスの動向

1955年、近鉄パールスは芥田武夫監督の3年目のシーズンを迎えました。この年は前年の球団創設5年目で初のAクラス入りを果たした成果が期待される中で始まりますが、チームは大型補強を行うことなく開幕を迎えました。

開幕からの成績

シーズンのスタートであった4月、近鉄パールスは首位の南海に7ゲーム差をつけられ、5位で終了しました。この状況は前年と同様に、阪急との4位争いを暑さを越えるまで続くことになります。途中、一時は阪急を抜いて4位に浮上しましたが、後半戦以降は再び阪急とのゲーム差が広がる結果となりました。

シーズンの終わりには、南海には39ゲーム、阪急には20ゲーム引き離されてしまい、再びBクラスに転落しました。また、前年加盟のトンボには20ゲーム差で勝ち越したものの、結局は5位でシーズンを終了することとなりました。

投手陣の活躍

投手陣では山下登が17勝を挙げ、関根潤三が14勝、武智文雄も10勝を上げるなど、3人が2桁勝利を記録しました。チームの防御率は3.45でリーグ7位となり、まずまずの成績を収めました。

打撃陣の課題

一方、打撃陣は前年同様に打撃力に悩まされました。チーム本塁打は西鉄に100本以上も差をつけられ、35本でリーグ最下位となりました。チーム打率は.252とリーグ4位でまずまずの数字ではありましたが、チャンスに弱く、リーグ最多の109併殺打を記録しました。これがチームの状態を象徴する一面でもありました。

対戦成績

対戦相手の成績については、Bクラスの3球団には大きく勝ち越したものの、優勝を果たした南海や2位の西鉄には非常に苦戦しました。特に西鉄には3勝17敗と大きく負け越してしまう結果となりました。

重要な出来事

1955年には、いくつかの注目すべき出来事もありました。6月19日には武智文雄投手が対大映戦で史上2人目、パ・リーグ初の完全試合を達成しました。さらに、8月30日には同じく武智が再び大映戦でパーフェクトピッチングを行い、9回一死まで無安打無失点を維持しましたが、惜しくも26番目の打者によって安打を許してしまい、2度目の完全試合とはなりませんでした。

結論

全体として、1955年は近鉄パールスにとって光と影のあるシーズンでした。投手陣の健闘が際立つ一方で、打撃陣の貧打に苦しんだ一年であり、チームの成績は5位で終わりました。この年の経験を活かし、今後の成長が期待されたシーズンとなったことは間違いありません。

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