1956年韓国地方選挙

1956年韓国地方選挙の概要

1956年に行われた韓国の地方選挙は、第一共和国時代の重要な出来事の一つであり、8月8日と13日に分けて実施されました。一部地域では選挙が再度行われることもありました。この選挙は、1952年の前回に続くもので、地方自治法の改正によって新たに導入された制度が特に注目されます。

選挙の背景と目的

本選挙の最大の特徴は、道議会の議員や市・邑・面の首長を、これまでの議会間選から住民たちによる直接選挙制に移行した点です。これにより、地方自治が一層強化され、住民が直接自らの代表を選ぶという新たな試みがなされました。また、前回の選挙が実施されなかったソウル特別市においても市議会議員選挙が行われ、この都市の政治の動向にも影響を与えました。

地方自治法改正のポイント

地方自治法改正に伴い、いくつかの重要な変更が施行されました。具体的には、先述したように市・邑・面の首長を住民による直接選挙で選出することが定められましたが、ソウル市長と道知事は従来通り政府の任命制が維持されました。加えて、首長および議員の任期は4年から3年に短縮され、選挙権や被選挙権の居住要件も6ヶ月から90日へと緩和されました。これにより、より多くの市民が参加できる機会が設けられました。議会選挙も小選挙区制が導入され、一部の議会では複数の選挙区が設定され、透明性が高められました。

選挙の実施状況

1956年の選挙では、実際に8月8日に市・邑・面長の選挙が行われ、全国の1,481箇所の市・邑・面のうち580箇所での選挙が実施されました。特に邑長や面長については、無投票当選が多く見られました。市長選挙の投票率は86.6%という高い数字を記録し、自治に対する関心の高さを示しています。

議会選挙では、選挙日の8月13日に約8,421,772人が登録され、投票率は86%を超えました。この選挙では当選者の28.9%が無投票で決定され、特に面議会においてはその割合が30.9%に達し、前回よりも増加しました。

選挙結果とその影響

選挙結果では、自由党が市・邑・面の首長と議員を大きく占め、圧倒的な優位を誇りました。しかしながら、その後のソウル特別市議会選挙では、野党の民主党が圧敗し、自由党はわずか1議席しか獲得できませんでした。このように、地域ごとに政党の支持パターンが異なる現象が見られました。京畿道では民主党が第1党となりましたが、その他の道では自由党が多数を占める結果となり、忠清北道、江原道、済州道においてはほぼ全ての議席を保持しました。

まとめ

1956年の地方選挙は、韓国における地方自治の進展と、住民の参加を促す新たな一歩となりました。投票率の高い結果は、当時の人々の政治への関心が高まっていたことを示しています。また、選挙から得られた結果は、その後の政党の動向や地域政治に重要な影響を及ぼしており、韓国の政治史における大きな転換点の一つといえるでしょう。

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