1956年4月自由民主党総裁選挙

1956年自由民主党総裁選挙の概要

1956年4月5日に実施された自由民主党の初めての総裁選挙は、同党の結党からわずか5ヶ月後のことであり、その重要性は計り知れません。この選挙は、党内の権力構造を決定するだけでなく、戦後の日本政治における自由民主党の方向性を示すものでした。

結党からの流れ

自由民主党は1955年11月に設立され、その際には鳩山一郎、緒方竹虎、三木武吉、大野伴睦の4人が総裁代行委員となり、政党としての機能を整える過程にありました。結党初期には、各派閥間の対立が存在し、その中で鳩山を軸にした支持基盤がどのように構築されるかに注目が集まっていました。

鳩山は旧民主党の総裁であり、内閣総理大臣としての経験を持っていましたが、当初は彼が単独での支持を集めることができるのか疑問視されていました。ただし、旧自由党の緒方も候補の一角として注目を集めていましたが、彼は1月に心臓の病により急逝してしまったことで、反鳩山派の候補が不在となり、結果的に鳩山の有利な状況が整いました。

選挙の詳細

1956年の総裁選では、決選投票制に基づき、党所属国会議員と地方代議員からの票が重要な役割を担いました。具体的には、党内議員と都道府県支部連合会から選出された地方代議員が有権者となり、多数決によって新総裁を選出しました。投票方法は秘密投票が採られ、投票資格のある党員による単記投票となっていました。

この選挙は、実質的には鳩山への信任投票の様相を呈しており、主要な派閥も彼を支持することで一致しました。鳩山一郎派、岸信介派、大野伴睦派、旧緒方竹虎派は、鳩山を支持することを決定し、党内の権力構造を固めました。

ただし、鳩山に反発を示す池田勇人を中心とする吉田茂派や一部の緒方派は、不支持の方針を取る中で白票投票に回るという動きも見られました。このような中、1956年の総裁選決定が進められると、党内の多くの議員たちは鳩山の指導力と政策に期待を寄せて投票に臨みました。

選挙結果

結果的に、鳩山は党内での圧倒的な支持を受けて自由民主党の初代総裁に選出されます。この選挙によって、自由民主党は鳩山一郎のリーダーシップの下、国政においての発展を目指す動きを加速させることとなりました。

公式な統計によっては、得票数に関する詳細は不明な部分が多いですが、総合的に見れば、彼が党内での支持を確立し、政治の舵を取る上で重要なマイルストーンとなる選挙であったことは間違いありません。これは1972年の第12回総裁選までは立候補制ではなかったため、すべての票を有効票として扱われるという特異な状況の中でのものでした。

このようにして誕生した初代総裁の鳩山は、自由民主党の未来を大きく変える存在となり、その後の政局に影響を与え続けることとなるのです。

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