三木武吉

三木 武吉（みき ぶきち）について

概要

三木武吉は1884年に香川県高松市で生まれ、1956年に亡くなった日本の著名な政治家です。彼は衆議院議員を11期務め、鳩山一郎の盟友として知られています。自由民主党の結党を助け、保守合同を実現させた功労者とされています。三木はその独特なキャラクターや、数々の異名、「ヤジ将軍」「策士」「政界の大狸」などで親しまれました。彼は同名の三木武夫とは血のつながりがないとされています。

生い立ちと教育

三木武吉の幼少期は波乱に満ちていました。彼は高松中学校の生徒でしたが、うどん食い逃げ事件が原因で退学処分を受けました。その後、同志社中学に転校するも、乱闘事件の結果、放校されてしまいます。彼は星亨の法律事務所に住み込み、東京専門学校に進学しました。この時期、彼は学生生活を謳歌し、さらには後の妻となる天野かね子とも出会っています。1904年に専門学校を卒業した後、色々な職を持つことになります。

政治家としての活動の始まり

三木は1913年に牛込区議会議員に当選後、衆議院議員総選挙に立候補しますが、落選しました。しかし、1916年に憲政会に入党し、1917年に初当選すると、政治家としての地位を固め始めます。彼の舌鋒鋭い政府批判が目立ち、特に有名なのは、海軍予算の説明の際に「ダルマは九年！」とヤジを飛ばしたエピソードです。この言葉は、機知もさることながら、彼の発言力を示すものでした。

政界での彼の影響力

1920年代には、その活動は一層活発なものとなり、シベリア出兵に関する調査団のメンバーとして1か月間シベリアを視察する機会も得ました。これにより、彼は憲政会の中で信頼を得ていきました。1924年には憲政会の幹事長に選ばれ、次の選挙を指揮します。1972年の護憲三派による第一次加藤高明内閣の成立に貢献し、さらに大蔵参与官に任命されるなど、彼は政界での影響力を高めていきました。

波乱に満ちた政歴

しかし、三木の政治生活は順風満帆ではありませんでした。1928年には京成電車事件に連座し、有罪判決を受け、しばらく政界を離れます。それでも彼は、1939年に報知新聞社社長となり、1942年の翼賛選挙で衆議院議員として復帰を果たしました。この頃、鳩山一郎と共に、軍部に抵抗する自由主義政党人としての立場を確立しました。

戦後の政治活動

戦後は日本自由党に参画し、1946年には衆議院議員選挙で自由党を第一党に押し上げましたが、政治の混乱や内部抗争に直面しました。吉田茂との摩擦もありましたが、三木は党内の調整役としての腕前を発揮し続けました。1946年には公職追放を受けるが、1951年に復職し、さらなる不信任決議案の提出を通じて吉田内閣打倒の動きに取り組みました。

保守合同と晩年

1955年、三木は自由党と民主党の保守合同を推進する中、党内の対立を調整しました。しかし、同年4月には余命3年の癌の宣告を受け、体調が次第に悪化していきました。1956年7月4日、彼は自宅にて永眠しました。彼の死後、正三位に叙されました。

エピソードと名言

三木武吉はその人柄と政治手腕で、多くのエピソードに知られています。彼の独特な発言やヤジは、衆議院における名物の一つでした。彼の言葉「猿は木から落ちても猿だが、政治家が選挙に落ちたらただの人」は聞く人に深い印象を与えました。また、彼は権力の周囲の阿諛迎合を嫌ったともされ、「茶坊主ども、黙れ!」と野次ることで有名でした。

このように三木武吉は、その波乱に満ちた人生と独自のスタイルで日本の政治界に影響を与え続けた存在です。

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