1958年レバノン大統領選挙

1958年レバノン大統領選挙の詳細

1958年7月31日に実施されたレバノン大統領選挙は、同国の政治的な緊張が高まっていた時期に行われました。この選挙は、1958年のレバノン紛争を受けて実施された間接選挙として位置づけられ、フアード・シハーブが次期大統領として選出されたことが大きな注目を集めました。

選挙の背景

この選挙の前、レバノンの第2代大統領カミール・シャムーンはその任期が1958年9月24日に満了になる予定でした。シャムーンは大統領選挙に再出馬する意向を示していましたが、レバノン憲法によりそれが不可能であることが明らかでした。その矢先、シャムーン政権に批判的なジャーナリストが暗殺され、国の内部におけるマロン派キリスト教徒とアラブ系イスラム教徒間の緊張が一層高まりました。

1958年5月10日には、武力反乱が勃発し、アラブ連合共和国（UAR）のガマール・アブドゥル＝ナーセルがアラブの団結を呼びかけるなどしたため、レバノン国内の宗派間対立は激化。この状況を受けて、レバノン政府は国連に対しUARの干渉について訴え、国連安保理はこの問題について議論を重ねました。その結果、国連の監視団が派遣されるものの、効果が見られず、ついにはアメリカ海兵隊がレバノンに派遣される事態に至ります。

選挙結果とその後の動向

1958年の選挙では、議会が西側諸国やシャムーン支持派、さらにナーセルとアラブ連合共和国支持派に分かれ、選挙戦が展開されました。フアード・シハーブは、折衷的な候補と見なされており、実際には選挙の3日前にようやくその候補を承諾しました。

選挙は7月31日に実施され、国民議会の投票が行われました。シハーブは初回投票で43票を獲得し、エッデは10票に留まりました。その後の2回目の投票では、シハーブが48票を得、エッデは7票という結果で当選が確定しました。投票に参加しなかった議員もいたことから、最終的には66名中のその一部が投票を行っています。

シハーブは、選挙後の8月4日にレバノンの安定と統一のために尽力する方針を述べ、その中で外国軍の撤退を第一の目標として掲げました。彼はその後、9月23日に正式に大統領に就任し、1964年9月22日まで在任することになりました。

選挙後も、国連安保理では関連する会合が続きましたが、合意には至らず、新たな特別総会の開催が決定されました。このように、1958年の選挙はレバノンの政治史の中で重要な出来事となり、今後の国政に影響を与えました。

もう一度検索