1959年の国鉄スワローズ

1959年の国鉄スワローズの動向

1959年は国鉄スワローズにとって、宇野光雄監督が指揮を執る4年目のシーズンとなりました。この年のチームは、シーズン初めからまずまずのスタートを切りましたが、後には様々な苦境に直面しました。特に、6月には阪神タイガースに代わって2位に浮上するなど、阪神・中日・広島との間で2位争いを繰り広げました。

しかし、状況は試合を重ねるにつれて厳しくなり、エースの金田正一をはじめとする投手陣の好投にもかかわらず、打線が得点を逃す場面が多く見られました。また、8月にはBクラスに転落し、その後も2位争いを続けましたが、シーズンの最終結果は63勝65敗2分けというもので、宇野監督就任以来4年連続の4位に終わりました。この成績は、近年でも対戦成績が拮抗していた読売ジャイアンツに8勝18敗と大きく負け越したことが影響を与えました。

投手陣はリーグで防御率3.19の結果を残し、739奪三振を記録するなど、一定の存在感を示しました。特に金田は313奪三振を記録し、リーグの最多奪三振を獲得しました。一方、打撃陣に目を向けると、盗塁数ではリーグ3位、打率ではリーグ4位に位置しましたが、62本塁打にとどまる長打力の不足は目立つ結果となりました。

この年、金田はA級10年選手の条件を満たすシーズンを迎えました。前シーズンには、大阪タイガースの田宮謙次郎が契約金3000万円でチームを移籍したのを受け、金田も自らの契約更新に影響を受けようとしていました。コミッショナーは契約金の高騰を抑えるため、「ボーナス制度」を発表し、ボーナスは契約金の2倍、さらに参加報酬は年俸の20%という制限内容が示されました。具体的には、金田の年俸が900万円であったため、ボーナスは上限2880万円と設定されていました。この結果、金田自身は不満を抱きつつナインに対して八つ当たりをしてしまう事態が発生しました。

金田の今後を心配した西垣徳雄コーチと北原広男球団代表は、三者会談を開き、「金田あっての国鉄スワローズ」という思いを伝え、限度いっぱいの報酬を約束することで金田を引き止めました。そして、11月26日には金田との再契約が発表されましたが、4年後には彼がB級10年選手の特権を利用して読売ジャイアンツに移籍することが決まります。

また、この年の3月1日には、将来的にスワローズと深い関係を築くこととなるフジテレビが開局しました。初代社長にはスワローズのオーナーも務めた水野成夫が就任し、1963年11月には鹿内信隆がその後を引き継いでいます。これにより、スワローズとの関係はナイター中継などを通じて徐々に深まっていくこととなります。

総じて、1959年は国鉄スワローズにとって、チームの成績や選手の契約における課題が浮かび上がったシーズンでありました。

もう一度検索