1959年の大洋ホエールズ

1959年の大洋ホエールズ

1959年の大洋ホエールズは、特異なシーズンを迎えました。この年、森茂雄が球団社長として1年間監督を務め、その影響をチーム戦績に色濃く表しました。森の監督就任の背景には、前年オフに西鉄から三原脩監督が移籍してくる計画がありましたが、ライオンズファンの強い反発により三原監督が留任。不本意ながら、森社長が代わりに指揮を執ることになったのです。

森監督は、チームの若手選手を育成する方針を掲げ、その結果、中央大学から入団した桑田武内野手が注目の選手となりました。桑田は圧倒的な活躍を見せ、31本の本塁打を打って「本塁打王」のタイトルを獲得しただけでなく、同時に王貞治（巨人）や村山実（阪神）など多くの強敵を抑えて「新人王」も受賞しました。この年、桑田の成果は大洋にとって明るいニュースであり、希望の光とも言える出来事でした。

しかし、投手陣は難しい状況にあり、チーム防御率は3.47という低迷を記録しながらも、49完投というリーグ一の数字を残しました。これは、5連覇を誇る巨人や2位の阪神と並ぶものであり、完投数においてはなかなかの内容と言えるでしょう。チームは結果として最下位になってしまいましたが、その中で若手選手たちの成長を確認する重要なシーズンとなりました。

この年のユニフォームデザインも重要でした。オレンジと黒を基調とした新しいユニフォームが導入され、これが1962年まで続くことになります。新たなチームの象徴とも言えるカラーリングが、これからの大洋ホエールズを表すものとなりました。

また、シーズン中の出来事も特筆すべきです。7月5日には幸田優が対広島戦で日本プロ野球史上初の1イニングで4奪三振という偉業を達成。また、9月27日には桑田武が日本プロ野球新人最多本塁打新記録の30本塁打を打ち立て、シーズンを大いに盛り上げました。さらに、11月20日には三原修が正式に監督に就任し、翌年のさらなる飛躍を期待させる年となりました。

この1959年は、結果的にチームは苦しい状況ながらも、来るべき次のシーズンに向けた重要な土台を築くことができた年と言えるでしょう。森監督の下、若手たちが台頭する姿はファンにとっても未来への希望をもたらすものとなりました。

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