桑田武

桑田 武 (くわた たけし)

桑田武は1937年1月5日に神奈川県横浜市鶴見区で生まれ、プロ野球選手として名を馳せました。内野手および外野手として活躍し、1960年代の日本プロ野球界でその名を知られる存在となりました。彼の野球人生は、華やかさだけでなく波乱万丈なものでした。

経歴

プロ入り前

桑田は若いころから野球に情熱を注ぎ、横浜市立寺尾中学校時代には後の大相撲力士金乃花武夫と同じチームでプレーしていました。荏原高では、2年生にして「3番・三塁手」としてレギュラーの座を勝ち取ります。1953年の夏、全国高等学校野球選手権東京大会決勝に進出するも、延長11回で惜しくも敗北を喫しました。その後も早稲田実業に敗れて甲子園出場は果たせず、大学進学後は中央大学で活躍しました。大学在学中には84安打を記録し、最高殊勲選手やベストナインに選出されるなど、輝かしい成績を残しました。

プロ入りと活躍

卒業直前の1958年、桑田は大洋ホエールズに入団。入団1年目の1959年には、同年の新人選手として歴代最高の31本塁打を放ち、本塁打王に輝きました。さらに新人王も受賞し、彼の名は一気に広まりました。同年、117安打を記録したことは、長らく球団新人最多安打記録として残りました。

1960年には打率.301を記録し、チームのリーグ初優勝に貢献。しかし日本シリーズでは目立った活躍はできず、その後も安定した打撃を続けた桑田は、1961年には打点王を獲得し、さらにサヨナラ本塁打の日本記録を樹立しました。彼の守備は多岐にわたり、三塁手を主に様々なポジションで出場しましたが、1964年と1965年には遊撃手としても起用されました。

躍進と矛盾

1964年には20試合連続安打を記録し、再び活躍の場を取り戻しましたが、1966年からは足の怪我に悩まされるようになり、1991年に故郷で亡くなるまでの道のりは苦難に満ちていました。1968年には打撃不振に陥り、トレード候補となった結果、大洋から読売ジャイアンツへ移籍。しかし、古傷が再発し、巨人では打撃が振るわず、結局無安打のまま現役を退くこととなりました。

引退後の生活

桑田は引退後、会社員を経て飲食業やガソリンスタンドの経営に従事し、最終的には群馬県のゴルフ場支配人として活動しました。1991年1月21日、54歳でくも膜下出血によりこの世を去りました。その功績は、今なお日本プロ野球界において語り継がれています。

主な成績

- 本塁打王: 1959年（31本）
- 打点王: 1961年（66打点）
- 新人王: 1959年
- オールスターゲーム出場: 6回

桑田武はその打撃力と多才な守備で数々の記録を残し、プロ野球界にその名を刻みました。彼の野球人生は、挑戦と成果、そして挫折の物語であり、後の選手たちにとっても重要な教訓ともなるでしょう。

もう一度検索