1959年イギリスグランプリ

1959年イギリスグランプリ：ブラバムの圧勝とマクラーレンの記録

1959年7月18日、エイントリー・モーターレーシング・サーキットで、F1世界選手権第5戦、1959年イギリスグランプリが開催されました。このレースは、75周、全長362kmにわたる激戦でした。

ブラバムの完全勝利

このレースを制したのは、ジャック・ブラバムでした。彼はワークスのクーパー・T51を駆り、スタートからフィニッシュまでトップを譲ることなく、見事な走りでシーズン2勝目を獲得しました。2位には、ブリティッシュ・レーシング・パートナーシップ（BRP）から参戦したスターリング・モス（BRM・P25）が入り、ブラバムから22秒遅れでゴールしました。3位にはブラバムのチームメイトであるブルース・マクラーレンが、モスにわずか0.2秒差で続きました。4位にはBRMのハリー・シェルが入りましたが、ブラバムには1周遅れの結果となりました。

多数のエントリーとフェラーリの欠場

このイギリスグランプリには、インディ500を除くシーズン最多となる30台のマシンが予選に参加しました。そのうち24台が決勝レースに進出しました。注目すべきは、フェラーリチームがイタリアでの労働争議を理由に欠場したことです。このため、前年限りでF1から撤退したヴァンウォールのトニー・ブルックスが、古いマシンで参戦するという珍しい光景が見られました。しかし、ブルックスのマシンは13周でミスファイアによりリタイアしました。

ドライバーズチャンピオンシップの行方

ブラバムの優勝により、ドライバーズチャンピオンシップの争いはさらに激化しました。ブラバムはブルックスとのポイント差を13点に広げました。一方、モスとマクラーレンは、3位のフィル・ヒルに0.5点差の4位に順位を上げました。

マクラーレンの偉業

このレースでは、モスとマクラーレンが1分57秒0という同じファステストラップを記録しました。そのため、2人それぞれに0.5ポイントが与えられました。特にマクラーレンは、21歳322日でのファステストラップ記録樹立は特筆すべき出来事でした。この記録は、2003年のカナダGPでフェルナンド・アロンソが更新するまで、実に44年間も破られることはありませんでした。

まとめ

1959年イギリスグランプリは、ブラバムの圧倒的な勝利、そしてマクラーレンの歴史的記録、さらにフェラーリの欠場とドライバーズチャンピオンシップの激化など、多くのドラマが詰まったレースでした。このレースは、F1の歴史に重要な1ページを刻んだと言えるでしょう。 多くのドライバーとチームが参加し、激しい争いが繰り広げられたこのレースは、F1ファンにとって忘れられない一戦となったことは間違いありません。 レースの結果は、ドライバーたちの技量だけでなく、マシンの信頼性やチーム戦略も大きく影響したことを示しています。今後のレースでも、同様の緊迫感と興奮が期待されます。

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