1960年の日本シリーズ

1960年日本シリーズ概要

1960年10月11日から15日にかけて行われた日本シリーズは、セ・リーグにおいて初めて優勝を遂げた大洋ホエールズと、パ・リーグで10年ぶりの優勝を果たした毎日大映オリオンズとの間で行われました。このシリーズは第11回目となり、日本シリーズ史上初めて同じ関東地方に所属するチーム同士の対戦となりました。試合は川崎球場と後楽園球場で実施されました。

シリーズの背景

1958年以降、セパ両リーグの球団数が12に増加し、大洋ホエールズはセ・リーグ初の日本一となりました。シリーズ前の予想では、強力な打線を誇る毎日大映が有利とされていました。しかし、大洋はこの強打線を巧みに抑え、4試合すべてを1点差で勝利し、4連勝で日本一に輝きました。

大洋の捕手、土井淳は当時の状況を振り返り、「下馬評では大毎が圧倒的有利だったが、予想外の結果になるかもしれないという気持ちがあった」と述べています。また、毎日大映所属の選手たちについても、「名手が揃っていたが、緻密さに欠ける部分もあり、隙があると感じた」とのコメントを残しています。

各試合のハイライト

第1戦

第1戦は川崎球場で開催され、大洋の鈴木隆が先発しましたが、初回に四球とヒットでピンチを招きました。ここでエース秋山登に交代し、彼の好投で大洋が先勝しました。試合は7回に金光秀憲のホームランで決まり、1点差での勝利に繋がりました。

第2戦

第2戦では、両チームが無得点で迎えた6回、大毎の榎本喜八が2ランホームランを放ち、リードを奪います。しかし、大洋も直後に追いつき、さらに勝ち越し。同試合の8回にスクイズ失敗が発生し、オーナーが監督を叱責する事態に発展しました。最終的には再び1点差で大洋が勝利を収めました。

第3戦

後楽園球場で行われた第3戦では、大洋が早々にリードを奪い、最終的に試合終盤の本塁打によって大洋が3連勝。日本一に王手をかける展開となりました。

第4戦

シリーズの最終戦となった第4戦は、一進一退の攻防が続く中、大洋の近藤昭仁が適時打を放ち、試合を決定づけました。大洋はこの試合でも完封で勝利し、2年連続の日本一を達成しました。

表彰選手

このシリーズでの活躍により、最優秀選手には近藤昭仁が選ばれました。彼はシリーズを通して重要な得点を挙げ、その活躍が評価されました。また、大洋の秋山登は最優秀投手として表彰され、安定した投球を見せました。

結果の意義

1960年の日本シリーズは、大洋ホエールズの歴史的な勝利として語り継がれ、今後のプロ野球における戦術や選手育成にも大きな影響を与えた重要なシリーズとなりました。各選手のパフォーマンスや試合の流れが、野球の奥深さと魅力を改めて感じさせるものでした。

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