1960年の近鉄バファロー

1960年の近鉄バファロー

1960年、近鉄バファローは千葉茂監督のもと、2年目のシーズンを迎えました。この年は前年からの新戦力が多数加入し、チームの戦力強化が図られました。特に、巨人からの大友工や他の選手、コーチが加わったことで、チームへの期待は高まりました。また、南海からの宅和本司、国鉄からの杉山悟の移籍もあり、これらが戦力の底上げにつながることが期待されていました。

開幕直後の近鉄は、貯金を作るまでには至らなかったものの、借金を1桁にとどめ、特に5月24日には4連勝を果たし、借金を1まで減らしました。しかし、翌日からは7連敗を喫し、順位は最下位に転落してしまいます。この苦境を乗り越えようとしたものの、6月には新人の矢ノ浦国満が正遊撃手に起用され、千葉監督の構想から外れていた鈴木武が三原脩監督の要請に応じて大洋に移籍。その後、鈴木は新天地で正遊撃手としてチームの初優勝に大きく貢献しました。一方、近鉄は7月に10連敗、9月にも6連敗を記録し、結局最下位から抜け出すことはできませんでした。

シーズンの結果としては、10年ぶりに優勝を果たした大毎に対して39ゲーム差、5位の東映にも9ゲーム差をつけられ、大きな苦杯を舐めることになりました。

打撃陣では小玉明利が初めてのベストナインに選ばれ、孤軍奮闘しましたが、チーム全体の打撃成績は低迷。チームの本塁打数は69本でリーグ5位、盗塁数も51個と不振で、他の5球団は80個以上を記録している中での最下位という状況でした。

投手陣に目を向けると、グレン・ミケンズがチーム最多の13勝をあげ、一定の成果を示しましたが、全体的には防御率が3点台後半と芳しくありませんでした。特に、千葉監督が起用した矢ノ浦はリーグ最多の35失策を記録してしまい、チームの守備力が足を引っ張る結果となりました。守備のミスが投手陣へ影響を及ぼし、十分な結果を残すことができなかったのが実情です。

また、カード別の成績にも苦しみ、大毎や南海に対してはそれぞれ7勝19敗と大きく負け越してしまい、大毎の優勝を支える格好となってしまいました。

このような厳しい結果が続く中で、チームとしての課題も多く、今後の戦力補強や戦略の見直しが求められるシーズンとなりました。選手やスタッフは次のシーズンに向けての改善点を見つけるための作業に取り掛かることになるでしょう。

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