大友工

大友工の生涯と功績

大友工（おおとも たくみ、1925年2月19日 - 2013年4月12日）は、兵庫県出石郡出石町の生まれであり、プロ[[野球選手]]としてのキャリアで知られる投手です。彼は1960年に登録名を大友工司（おおとも こうじ）に改めました。

プロ入りまでの経歴

大友は五人兄弟の末っ子として育ち、父は小学校教員であり、幼少期から野球に親しんでいました。中学時代から大阪タイガースの熱心なファンであり、旧制大阪逓信講習所を経て神戸中央電信局に就職した後、第二次世界大戦中には軍に召集されます。戦後は故郷に戻り、時には炭焼きをしながら生活しましたが、その後、但馬貨物で軟式野球を行っていました。1948年には全国大会での活躍がきっかけで読売ジャイアンツからスカウトされ、1949年に入団します。

現役時代

入団当初は軟式ボールしか扱ったことがないため、硬式ボールへの対応に苦労しながらも、投手としての成長を遂げました。1950年にはブルペンで才能を見せ、1951年には11勝4敗の成績を収め、リーグ3位の防御率を記録します。特に1953年は27勝を挙げ、最優秀防御率、最多勝、最優秀勝率の3冠を達成し、沢村賞やベストナインにも選出されるなど、名実ともに一流の選手となりました。

日本シリーズでの活躍

日本シリーズでも存在感を示し、1953年には南海との試合で胴上げ投手になります。この年、彼はニューヨーク・ジャイアンツとの対戦でも堂々たる投球を見せ、日本人として初めてメジャーリーグ相手に完投勝利を収める偉業を成し遂げました。この時、彼の速球はメジャーリーガーたちを驚かせました。

後半のキャリア

その後も1954年、1955年と続けて30勝を挙げる活躍を見せ、特に1955年にはプロ入り初の30勝を達成しました。しかし、1956年には大怪我を負い、以降は徐々に成績が低下していきます。最終的に1960年には近鉄バファローズに移籍し、同年をもって現役を引退しました。

引退後の生活

引退後は二軍投手コーチや一軍バッテリーコーチとして選手たちを指導した後、花島電線での勤務を経て、キャラクターグッズの販売も行いました。私生活では晩年、妻を亡くし一人暮らしをしていましたが、生活習慣を取り戻す努力をし続けました。2013年4月12日、彼は急性白血病により88歳でこの世を去りました。

プレースタイル

大友のプレースタイルはサイドスローでありながら、非常に優れた速球を持つ投手でした。そのため、彼は左打者に対しても強く、特に外角に鋭く曲がるスライダーが武器でした。多くの球界人から一目置かれるほどの投球でしたが、何よりも彼の人柄が周囲から評価されていました。

人物

大友は「キンさん」と呼ばれるほど親しまれており、誠実で熱心な性格であったといいます。彼は選手間での距離がなく、志願して二軍で若手選手の指導を行っていたとも伝えられています。その生涯で残した功績は、数多くのファンの心に刻まれています。

もう一度検索