1962年の西鉄ライオンズ

1962年の西鉄ライオンズのシーズンレビュー

1962年、西鉄ライオンズは特異な状況でシーズンを迎えました。この年は、中西太選手が選手兼任監督としてその職責を担う初年度でもありました。過去の監督である川崎徳次がチームの期待に応えられず辞任し、チームは新しい船出を迫られていました。川崎監督の時代には、優勝を期待されながらも2年連続で3位に終わる結果が続いており、これに不満を抱いていたファンも少なくありませんでした。

中西監督は、三原脩監督の長女と結婚し、戸籍上の名前も三原太となっており、指揮を執るべき者としての選手兼任の役割を担うことになりました。彼のもとには、豊田泰光助監督、さらに稲尾和久投手コーチがサポートした体制が整いました。チームの開幕オーダーには、豊田を始めとする黄金期の主力選手たちが名を連ね、ファンの期待が高まりました。

シーズンが始まると、前年の優勝を果たした南海が開幕伊勢でつまずき、代わりに前年2位の東映が快進撃を見せ始めました。西鉄は、開幕後の試合においては、両チームの後塵を拝する厳しい戦いを強いられました。中西監督にとっては非常に厳しいシーズンの幕開けとなり、特に東映の強さが際立つ展開でした。

シーズン中盤に入ると、南海も次第に立ち直りを見せ、ライオンズは彼らや大毎、阪急との激しい3位争いを繰り広げることになります。結局、西鉄ライオンズは62勝68敗6分という成績を残しながらも、なんとかAクラス入りを果たしました。しかし、チームの成績は初優勝の東映と16ゲームも差がつく結果となってしまい、非常に苦しいシーズンでした。

シーズン終了後の動きも注目です。主力の豊田選手が国鉄へ移籍することが決まり、チームは新たな転換期を迎えることになりました。この移籍は、チームの士気にも影響を与えるでしょう。

1962年の出来事

• - 3月5日：前年の監督、川崎徳次の引退試合が平和台球場で行われました。この試合の対戦相手は彼が移籍前に在籍していた巨人でありましたが、川崎自身は指揮を執るのみで、選手としての参加はありませんでした。これは彼にとって二度目の「指揮を取るだけ」の引退試合でありました。

この1962年のシーズンは、西鉄ライオンズの歴史の中で非常に重要な節目となった年であり、今後のチームにどのような影響を与えるのか、興味深い年でもありました。

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